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「ワクワクするバカが現れたな」オードリー若林がバッテリィズに名コメント…M-1“松本人志不在が話題にならなかった”新審査員9人チーム「スキのない採点」
text by
ラリー遠田Larry Toda
photograph byM-1グランプリ事務局
posted2024/12/23 19:57
史上初のM-1連覇を果たした令和ロマン。優勝決定後にホッとした表情を見せた
2008年の『M-1グランプリ』で準優勝して以来、毎年のように「タレント番組出演本数ランキング」で上位に食い込むような活躍を続けており、審査員という大役を任されても、今さら緊張したり動揺したりする心配はない。5名の審査員はいずれもどっしり構えていて、落ち着いた態度で自分なりの基準で冷静に審査を行っていた。
その結果として何が起こったかというと、今年の『M-1』は近年では最も「審査員や審査に対する賛否の声」が出てこない大会となった。SNSなどでも、新しい審査員に対する否定的な意見はほとんど見られないし、それ以外の審査員についても同様だ。
今年は、何かと物議を醸しやすい立川志らく、山田邦子のような漫才を専門としないタイプの審査員がいなかったし、松本人志、上沼恵美子のようにその一言一句に注目が集まるような圧倒的な権威を持つカリスマ審査員も不在だった。だからこそ、審査員に注目が集まらなかったという事情もある。
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審査員や審査についてあまり何も言われていないというのは、今年の『M-1』が大成功した証である。なぜなら、漫才の大会である『M-1』において、審査員はあくまでも裏方のような存在であり、主役は出場する漫才師や彼らが演じる漫才そのものだからだ。
個人的には、『M-1』の後で誰が何点をつけたかということをあれこれ細かく分析したり、一つ一つの審査コメントについて深読みしたりすることがあまり好きではない。「審査員を審査する目」でこの大会を見ること自体が、それほど意義のあることだとは思えないからだ。
若林と柴田の“名コメント”
強いて言うなら、新審査員の柴田と若林の「語り口」が見事だと思った。柴田は独特のフォーマットを持つジョックロックの漫才について「型がある漫才って少し読めちゃうから、そこが枠からはみ出ることがあったら、さらにいい漫才になるんじゃないかなと思いました」とコメントした。このようにプロならではの技術的な指摘をしている場面が多かったのだが、終始前向きな明るいトーンで話をしていたので、言葉が重く聞こえない。