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「オオタニは超クール、信じられない」ベッツやテオスカーだけでなく…敵将の“大谷翔平50-50称賛”が深い「敬遠は野球の神から見て不適切だ」

posted2024/12/22 17:02

 
「オオタニは超クール、信じられない」ベッツやテオスカーだけでなく…敵将の“大谷翔平50-50称賛”が深い「敬遠は野球の神から見て不適切だ」<Number Web> photograph by AP/AFLO

50-50を達成し、ドジャースの同僚から祝福される大谷翔平。番記者の取材によると、マーリンズの指揮官の称賛も興味深いものだった

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柳原直之(スポーツニッポン)

柳原直之(スポーツニッポン)Naoyuki Yanagihara

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50本塁打、50盗塁の大記録まで「2-1」と迫った9月19日、2023年のWBCで準決勝、決勝を戦った球場はスコールに覆われていた。何かの予兆のように雷鳴が止むと、“その時”は訪れた――。大谷密着歴11年目を迎えた番記者が、偉業達成の瞬間を克明に綴る。【全2回の2回目。初出:Number臨時増刊号『[番記者ドキュメント]50-50、史上最高の一日』】

「これだけ打てたことは人生でもない」

 この頃からスタンドの誰もが大谷にスマートフォンのカメラを向け始めた。「50-50」まであと2本塁打。3回に左中間への適時二塁打を放つと、6回には右翼2階席へ、'01年ショーン・グリーンに並ぶ球団記録の49号2ランを運んだ。いよいよ偉業に王手をかけた。

 7回の打席、快挙を期待するファンは総立ちだ。右腕マイク・バウマンのナックルカーブを左越えへ運ぶと、再び大歓声が響いた。

「今まではやっている人が少ない中での記録が多かった。比較対象が多い中での新しい記録という意味では、違いがあるかな」

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 前人未到の「50-50」を決める50号2ラン。大谷は声にならない叫び声を上げてから一周した。ベンチで同僚らと熱い抱擁を交わすと、「カーテンコール」を受けて再びグラウンドへ登場。総立ちの観客席に右手を振った。

 9回は相手野手ビダル・ブルーハンが登板し、「MVPコール」の中で野手から初本塁打となる51号3ラン。6安打、3本塁打、10打点はいずれも日本選手の1試合最多を更新。リーグトップの打点を120に伸ばし、'05年松井秀喜の116の日本選手シーズン最多打点も塗り替えた。

 試合後の会見場はローンデポ・パークの本塁側メディアゲートを入って、すぐ左。WBC決勝・米国戦後にMVPに選ばれた大谷に用意された会見場と同じ場所だった。この3連戦前に当時の思い出を“素っ気なく”振り返っていたローンデポ・パークで記録ずくめの打棒を発揮し「これだけ打てたことは人生でもない。自分が一番ビックリしている。自分のプレーしてきた球場の中で好きな球場の一つになった」と笑った。

50-50達成当日、大谷にとって初のPS進出も決まった

 48号を放った17日以降、17、18日で5三振。この日の試合前までに「構えも含めて自分が心地良いところを探しながら(室内打撃)ケージでやっていた」と修正に必死だった。ちょうど1年前の'23年9月19日に2度目の右肘手術を受け、グラウンドから離れた。オフにプロスポーツ史上最高額の10年総額7億ドル(契約時のレートで約1015億円)の大型契約でドジャースに移籍。右肘のリハビリに努めながら臨む今季は「リハビリは楽しいことばかりではない。進むこともあれば後退することもある」と沈む気持ちとも闘った。

 大谷の偉業とともに、チームも大きな節目を迎えた。

【次ページ】 ベッツもテオスカーも敵将も称賛した

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