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「(全日本選手権は)誰が勝ってもおかしくない」坂本花織が語った…日本女子が躍動したGPファイナルで見えた“ジュニアとシニアの違い”
posted2024/12/17 17:17
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph by
Getty Images
フランスのグルノーブルで12月8日に終了したジュニアとシニア合同のGPファイナル。今回は特に日本女子の活躍が目立ち、ジュニアでは6人中3人、シニアは6人中5人が日本代表という、まるで全日本の前哨戦のような顔ぶれになった。
結果はジュニアでは島田麻央、和田薫子、中井亜美の日本選手3人が表彰台を独占。シニアは米国のアンバー・グレンが初タイトルを手にし、初挑戦した千葉百音が2位、坂本花織が3位という最終順位になった。
本大会で印象的だったのは、ジュニアとシニア女子のそれぞれの特性が、顕著に出たことだった。
SPの苦手意識を告白した坂本花織
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シニアのSPは全体的に不調で、トップで70.04を得たグレンを含む6人全員がなんらかのジャンプの回転不足の判定をくだされた。
SPで珍しい転倒が出て4位スタートになった坂本は、前日の囲み取材でSPへの苦手意識を告白していた。「どうしてもショートになると、いやという気持ちになっちゃうところがあって。年々その気持ちが長引いていて……」
それはプログラムや曲の選択とは無関係なのだという。「単純にショートの方がきつい。フリーのほうがショートより振付、振りが出来る部分が多い。そこで息を整えられる部分がある。(SPは)要素がつまってるので体力勝負」と説明する。
ジュニア女子SPは“全員ノーミス”
その体力勝負のSPで、ジュニア女子6人は素晴らしい滑りを見せた。全員がほぼノーミスで滑り切り、島田麻央の出した73.72はシニアも含む女子全体で本大会もっとも高いスコアだった。技術を判定するテクニカルパネルはシニアと同じメンバーだったが、驚いたことにジュニア女子はジャンプの回転不足の判定が6人とも一つも出なかった。どの選手も、小さな体でまるで重力など存在しないかのように軽々と3+3を跳び、スピンの回転も速く、くるくると途中から加速していく選手も多かった。