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「原価20円の焼きそばを500円で売ってた」「リゾートに10億」全日本女子プロレスの驚きの“カネ遣い”…あの極悪レフェリー・阿部四郎の証言
posted2024/11/28 11:01
text by
堀江ガンツGantz Horie
photograph by
AFLO
Netflixのドラマ『極悪女王』のヒットによって、今ふたたび、ダンプ松本やクラッシュ・ギャルズが活躍した80年代の女子プロレスが注目を集めている。芸人・玉袋筋太郎、構成作家の椎名基樹、プロレス格闘技ライターの堀江ガンツの3人が、当時の女子プロレスラーや関係者にインタビューした『玉袋筋太郎の全女極悪列伝』(白夜書房)より、2013年に収録した“極悪レフェリー”阿部四郎の生前のインタビューを抜粋して紹介する。今では考えられない、あの時代の女子プロレスの実態とは?《全3回の第2回/第3回に続く》
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阿部 (全女は)というより、ほら、カネ遣いすぎたんだよね。
椎名 放慢経営がすぎた(笑)。
阿部 カラオケ屋やったりレストランやったりね。
玉袋 バブル期にはリゾート地開拓もありましたよね。
ガンツ 秩父リングスター・フィールド(笑)。
阿部 あんなの買ってどうするんだよ? ダメだよ、あんな山ん中。誰が行くんだよ?
あれ作るのに、10億くらいかかってんだよ
玉袋 交通の便が悪かったんですよね?
阿部 悪いもなにも、道が細すぎて大型バスが通れないんだから。どうやって人を呼ぶんだよ!
一同 ダハハハハハ!
玉袋 バスで行けない関東のリゾート地って聞いたことないよ!(笑)。
ガンツ ドアが小さすぎて、機材が入らなかった荒井注のカラオケ屋的ですよね(笑)。
玉袋 もともとの計画がずさんすぎるんだよ!(笑)。
阿部 あれ作るのに、3億かかるはずだったんだけど、なんだかんだで10億くらいかかってんだよ。
玉袋 10億! 失敗のスケールがいちいちでけえんだよな~。
焼きそばは「原価20円、売値500円」
ガンツ それでいながら、普段は何百円かの焼きそばを会場で売ってるんですけどね(笑)。
玉袋 日銭商売との落差がすげえんだよ。
阿部 でも、あの焼きそばは、相当儲かったんだよ。
椎名 儲かったんですか!(笑)。