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「ぜひ書いてもらいたい」日本シリーズでDeNA東克樹が“確信犯”のソフトバンクファンに2度の抗議「僕たちは1球が勝負の世界でやっているので…」 

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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posted2024/10/30 14:47

「ぜひ書いてもらいたい」日本シリーズでDeNA東克樹が“確信犯”のソフトバンクファンに2度の抗議「僕たちは1球が勝負の世界でやっているので…」<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

日本シリーズ第3戦、7回1失点の好投で勝利投手となったDeNA東克樹。投球中のソフトバンクファンの妨害行為について抗議した

 鳴らしていたのはネット裏の最前列から6、7段目に座っていた20代から30代の男女のグループ。後にわかったのだが沖縄から観戦にやってきていたソフトバンクファンだったという。この指笛、最初はこの回、先頭で打席に入った沖縄出身の山川への応援だった。沖縄では指笛を鳴らす応援スタイルが定着していて、地元出身の4番打者へのエールとして鳴らしたものだったようだ。しかしすでにかなりアルコールも入っている様子で、グループの仲間がその指笛を囃し立てている声も聞こえてきて、そこからどんどんエスカレートして指笛を鳴らす回数が増えていった。

 そして今宮の打席である。

 東がモーションを起こした瞬間を狙って指笛を鳴らし、その“妨害”めいた行為が2球続いたことで、東が“確信犯”と思って抗議に出たということだった。

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 抗議を受けて場内には1度、「プレーの妨げになるような行為はおやめください」という放送が流れた。東が抗議の際に盛んにこちら(ネット裏)の方を指していたことから「指笛のことかな」という推測はあった。しかし一方では「指笛で抗議?」という思いもあり、この場内放送では何がいけないのかがわからなかったというのが正直なところだ。だからかもしれないが、その直後にまた1度、指笛が鳴らされ、そこで再度、東が抗議をする。

「各社にぜひ書いてもらいたい」

 すると今度は「投手が投げる瞬間に口笛はご遠慮いただきますよう、お願い申し上げます」と具体的な場内放送が流れた。

 実はこのときネット裏では迅速に球場サイドも対応している。1度目の抗議の直後に指笛を鳴らしていたグループの元に係員数人がやってきて注意をして、その後はグループがいる座席の階段下に係員が待機。試合終了まで睨みをきかせる体制で、指笛が鳴らされることもなくなった。

「各社にぜひ書いてもらいたいんですけど」

 試合後の東はこの件をこう切り出し、強い口調で訴えた。

「ペイペイドームが指笛は禁止されていない(実は横浜スタジアムでは指笛での応援は禁止事項になっている)ので、全然、(指笛を鳴らす行為自体は)問題ないんですけど、ただ投げる瞬間、モーションに入ってからわざと口笛を吹くような感じだったので、ただそれだけはやめて欲しい、と」

「僕たちは1球が勝負の世界でやっている」

 沖縄では指笛を使った応援は、高校野球などでもよく見られる光景で、ある意味、ごくごく一般的な応援スタイルだともいえる。そういう意味では「それぐらいはプロなのだから、何で大袈裟に気にするのか」「こんなことが気になるのなら沖縄では投げられない」という意見があるかもしれない。しかし逆にプロだからこそ、こうしたある種の“妨害行為”に対しては、毅然とした対応をしなければならないということもある。

【次ページ】 「僕たちは1球が勝負の世界でやっている」

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