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「山本由伸に愛された男」中日・高橋宏斗は新生ドラゴンズの希望の光「“4年目の由伸さん”も“神様”も超えた」価値ある二つの数字とは
text by
小西斗真Toma Konishi
photograph byNanae Suzuki/JIJI PRESS
posted2024/10/13 17:00
「師弟関係」である山本由伸(左)と高橋宏斗
フォークの神様と称された球界のレジェンドを超えた22歳。ただ、最終結果ではともかく、終盤への自己評価は厳しめだった。
「前半ができすぎだというのはわかっているし、それが貯金になったのもわかってはいるんですが、夏場以降が自分では納得いってません。バテたとか、自分の球が悪くなったのではなく、数値的にもそう変わっていないのに打たれたのは、相手に対応されたから。その上をいけるように考えてやっていかないといけません」
被弾は村上宗隆の1本のみ
一軍合流から7月までは13試合で防御率0.48。戦後2人目のシーズン0点台も見えていたが、8月以降は8試合で3.02。悪化の原因は「自分」ではなく「相手」のようだ。150km台後半のフォーシームと鋭いスプリットが高橋の投球の基本軸。裏を返せばスプリットを振ってくれなければ、カウントは苦しくなる。打者の対応力が上がってきた時、さらなる対応力を磨くのが今後の課題となりそうだ。
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被本塁打はヤクルトの村上宗隆に打たれた1本のみ。2リーグ分立後の最少記録(規定投球回数到達者対象)を更新した。従来は2本が3人。そのうちの1人が、高橋が師と仰ぐ山本由伸(ドジャース)である。日本球界ラストイヤーとなった昨シーズンに達成している。
侍ジャパンでチームメートとなる以前から、シーズンオフの自主トレーニングで入門するなど心酔。国内見納めとなる昨年の日本シリーズには、名古屋での練習を終え新幹線で大阪を往復し、観戦(応援?)するなどあふれんばかりの「由伸愛」は、野球ファンの間では有名だ。4学年違いの師匠と弟子。高卒でプロ入りしたそれぞれの4年目の成績を比較する。
「師弟関係」二人の成績
【山本】新型コロナの感染拡大により、短縮シーズンとなった2020年
登板18
勝敗8勝4敗
イニング126回3分の2
奪三振149
防御率2.20
【高橋】
登板21
勝敗12勝4敗
イニング143回3分の2
奪三振 130
防御率1.38