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「僕のせいで負けた」失意の銀メダリストを“父親”鬼コーチが抱きしめた…フェンシング・山田優が明かす「母子家庭育ち」「男子エペ家族物語」
text by
齋藤裕Yu Saito
photograph byMATSUO.K/AFLO SPORT
posted2024/08/22 11:05
東京五輪での金メダルに続き、パリでも銀メダルを獲得した男子エペ団体。山田優(写真右から3人目)が明かす「家族」のようなチームの絆とは
「もう2、3年頑張ろうかな」パリを経て変化した心境
この家族と五輪を戦うのも最後かもしれない。そんな覚悟で挑んだが、味わった「あと少し」の悔しさで考えが若干変化したようだ。パリを去る前にこんな思いを語っていた。
「決勝戦でもう一歩届かなかったのは、なんでなのか。この『なぜだろう』を知るために、もう2、3年頑張ろうかなって思っちゃいますよね。このもうちょっとが、何か気になる。そのもうちょっとの先にあるのは金メダルだと思ってるんで、そこをもう1回見直しながらまた何年か頑張っていきたいなと思います」
その言葉を聞き、隣にいた古俣が驚いた顔をする。引退を示唆するほど引き際を考えていた兄が再び闘志を燃やしている。男子エペ団体の家族物語はまだまだ続く予感がする。
<フェンシング日本代表を支えた「おむすび秘話」とあわせてお読みください>