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「最高の形でした」“あのオフサイド弾”だけでなく…なぜJリーグで不振だったFW細谷真大がパリ五輪で輝けたか「ただ、もっと大事なところで」
posted2024/08/11 11:02
text by
了戒美子Yoshiko Ryokai
photograph by
Mutsu Kawamori
あのオフサイド弾は「最高の形だった」
VARにより取り消されたが、細谷真大のゴールシーンは見事だった。
藤田譲瑠チマからの鋭い縦パスを、バルセロナの17歳パウ・クバルシを背負いながら受けて反転、右足でゴール左に流し込んだ。自身でも「このあとしっかり映像を見て振り返りたい。このゲーム中の判断では最高の形だったと思う」と胸を張ったシーンだった。ゴール前であれほど体を張ることができ、スペインのセンターバックにも負けない強さが、他の対戦相手でどのように発揮されるのか、見てみたいところだった。
今大会、細谷の存在感は時間を追うごとに増していった。所属する柏レイソルでは今季ここまで2ゴールと、直前までJリーグでは不振に苦しんだが……「五輪にベストの状態でもって来れたと思っています。結果はついてこなかったけど、自分のプレーは出せたと思います」と一定の成果も口にした。
スペイン戦の幻のゴールのようなプレーやポストワークは、2列目に個性ある面々が揃った大岩ジャパンのサッカーにあって、不可欠なものだった。右サイドに流れての仕掛け、クロスからのシュート、反転シュート、ポストワークなどプレーの幅も見せたのが今大会の細谷だった。
マリ戦でのドリブル突破は「どんどん仕掛けていった」
まず、強く印象を残したのはグループステージ第2戦マリ戦で山本理仁の得点につながったドリブルだ。
81分、自陣で山本がパスカットし細谷につなぐと、細谷は一気に右サイドを駆け上がった。全力で追いすがるイスフ・シソコを突き放して加速した。顔色一つ変えず、バランスも崩さない強さを見せつけた。
細谷はこのシーンをこう振り返る。