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「バスケで“地元有利判定”は当たり前」河村勇輝への誤審疑惑…フランス戦で見逃されたポイント「そんな汚いことをしてまで…」日本バスケに期待したい“発想”
posted2024/08/02 17:08
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph by
JMPA
最高に感激して、最大の怒りも感じた。
バスケットボール男子、日本対フランス戦。
数年前まで、福岡第一高校で丸刈りにしていた河村勇輝が獅子奮迅の活躍。ドライブに、美しいスリー!
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そして、なぜ、なぜ「あれ」がファウルなんだ!
みんな、言いたいことは山ほどあるはずだ。
「タラレバ」も、言い出したらキリがない。
河村の「あれ」はファウルには見えなかった。が、河村は跳んでしまっていた。審判は怪しければ笛を鳴らす。跳ばずに腕を伸ばしていたら――。なんとかなったのに――という思いは、日本の深夜、テレビを見ていた人の共通の思いだろう。
それにしても、日本のバスケは面白かった。オリンピック後、アメリカに挑戦する河村は、日本のバスケット人気をもう一段階上げそうなオーラを放っていた。この夏、河村に憧れるミニバスの小学生がドリブルの技術に磨きをかけそうだ。
河村の活躍だけではなく、八村塁はNBAプレーヤーらしい落ち着き、そしてスコアリング技術を披露してくれた。もしも、八村が退場していなかったら……というタラレバは、誰しも思っているだろうけれど。
それだけではない。ジョシュ・ホーキンソン、渡邉飛勇が220センチを超えるヴィクター・ウェンバンヤマを抑えた時には、快哉を叫んでしまった。
日本は昨年のワールドカップの時よりも、明らかに強くなっていた。
フランスの選手たちが焦り、一つひとつのシュートに感情を露わにするようになったのは、ひとえに日本が予想を裏切ったからだろう。
「バスケで地元有利判定は当たり前」
それにしても、これだけファウルのことを考えるのは久しぶりのことだ。
アメリカのカレッジバスケ好きとしては、ホームコート・アドバンテージ、「地元有利判定」は当たり前だと思っている。