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岡田准一もイーロン・マスクもハマっていて…「ガリットチュウ」福島善成がブラジリアン柔術世界大会で優勝「肉体の勝負じゃない」の裏にある思想とは
posted2024/02/17 17:00
text by
井賀孝Takashi Iga
photograph by
Takashi Iga
2023年9月2日、エルビス・プレスリーゆかりのホテルとして有名な「ウェストゲート・ラスベガス」に隣接した巨大なコンベンションセンター。8000人を超える柔術家が集うこの場で、お笑いコンビ「ガリットチュウ」のひとり、福島善成の試合が始まろうとしていた。
「コロナで仕事が減って、何かできることはないかとクインテット(組み技格闘技の団体戦)を見に行ったら、柔術とかグラップリングならできるんじゃないのと思った」
福島は'21年11月23日に池袋にあるトライフォース柔術アカデミーに入門。芸人として活動する一方で、試合前は週に5、6回と趣味の範疇を超える頻度でコツコツと稽古に励んできた。
「効率の良い脳のデトックスになるんです。20年先の未来が見えると言われている(マーク・)ザッカーバーグとイーロン・マスクも柔術にはまっていて、彼らもそう言ってるけど、僕の方が先に言ってる(笑)。夫婦喧嘩が絶えなくて仕事も少なく、コロナ期間中ですべてが嫌になっても、肉体同士組んだ時は集中しちゃう。夫婦喧嘩や仕事がなくなったことを考えなくていい。それで終わった後はスッキリするんです」
福島が出場したワールドマスターは30歳以上の柔術家が世界中からラスベガスに集い、カテゴリー毎に世界一を決める。ここで勝つのは容易ではない。私自身2年連続で出場しているからよく知っている。
岡田准一と玉木宏も出場
今回は元V6の岡田准一と俳優の玉木宏も出場していたため、よりプレッシャーがあったという。彼らが活躍して、もし自分が優勝できなかったら「おいしいところは全部持っていかれてしまう」と。このあたりは芸人魂である。
福島は4勝して、見事マスター4青帯ライト級のカテゴリーで優勝を果たした。他のふたりも1勝を挙げたことによりマスコミが大きく取り上げることになる。
私は写真家だが柔術家でもある。ニューヨークで柔術を始めて27年。そもそも写真を撮りたくて始めた。その間つぶさに“柔術”を見てきたが、近年人気は高まってきている。数えるほどしかなかった道場は増え続け、ついには私自身も東京都八王子市高尾で道場を開いてしまった。
日本ブラジリアン柔術連盟(JBJJF)会長の中井祐樹は人気の理由をこう語る。