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菊池雄星「身近に大谷翔平。佐々木朗希くん、麟太郎くんもこれから…」岩手に巨大施設、考案した菊池が語る「息子とキャッチボールする場所が…」
text by
氏原英明Hideaki Ujihara
photograph byGetty Images
posted2024/01/02 11:05
オフの忙しい予定の合間に、菊池雄星が新しいプロジェクトについて話してくれた
佐々木朗希、麟太郎…「これから挑むわけですから」
3つ目のSocialは「地域の憩いの場」を指す。ただのトレーニング場ではなく、指導者や野球ファンなどが集まり、情報を交換する学びの場にもなる。
最後のCulturalは、「MLBを身近に感じられる場」にあたる。ユニフォームやバット、ボールの展示などを通して、MLBについて実感を持って知ってもらう。
「今は僕らが高校生のときよりはメジャーリーガーになりたいっていう子どもたちが圧倒的に増えてると思うので、メジャーは遠い場所じゃなくて、身近な場所、目指していい場所っていう認識でいてほしいなと思うんですね。岩手県民には身近に大谷翔平というスーパースターがいますし、佐々木朗希くん(ロッテ)、佐々木麟太郎くん(花巻東)もこれからそういう場所に挑むわけですから。次は僕が、っていう気持ちに、自然となれるような環境を作りたいなと思っていますね」
情報は今の時代においてとても重要である。
世間ではどんなことが起きているのか、もっと言えば、世界ではどんな野球が展開されているのか。その広さを知ることで、指導者も選手も成長できる。情報を知ることは成功への近道になる。
この施設が掲げるコンセプトは、菊池の脳内にある情報の全てを形にして、次世代へ繋げる取り組みなのだ。
「プロ野球選手も集まって、意見交換だったり、寝食をともにする(ような)場所にしたい。自主トレでもただ練習するだけじゃなくて、みんなで意見交換し合ったりとかできれば、と思います。そういう一つの場所で全てを完結できる施設が日本にはない気がするんですよね。指導者に関してはライセンスまで設けるかはわからないですけど、この施設ではこういうプログラムをやって結果を出せましたっていうものが確立できれば、指導者も自信を持って次のステージにいけると思います」
初のメジャー2桁勝利…今明かす舞台裏
メジャーで初の二桁勝利を上げた2023年シーズンは、菊池にとって大きな1年となった。「ここで結果を出さないともう後がないくらいの気持ち」で臨んだという昨年の今頃は不思議と充実感があったという。