しかし今年は青柳、西勇輝が不振に陥り（PRは青柳が－15.38、西が－4.57）、ガンケルはソフトバンクに移籍。前年からの先発陣は伊藤将だけとなり、先発陣崩壊の危機にあった。しかし、昨年一軍登板なしの村上頌樹、現役ドラフトでソフトバンクから移籍した大竹、そして昨年9試合4勝の才木がすい星のように登場して、先発の穴を完全に埋めたのだ。

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実はリリーフでも同じような現象が起きている

　こうした新しい投手を信頼して起用した岡田彰布監督の手腕も評価されるべきだ。一方で「幸運」にも恵まれたとも言えよう。

　昨年は15傑に阪神が4人、中日が3人、DeNA、巨人、広島、ヤクルトが各2人。今年は阪神4人（うち3人が22年にはいなかった新顔）、巨人4人、DeNA3人、広島、中日2人、ヤクルトはいなかった。

　実は救援陣でも同様の現象が起こっている。40試合以上投げた救援投手のPR15傑。

〈2022年〉
　R.マルティネス（中）56試4勝3敗39S5H 55.2回率0.97 PR14.78
　湯浅京己（神）59試2勝3敗43H 58回率1.09 PR14.63
　ロドリゲス（中）56試6勝2敗39H 54.2回率1.15 PR13.42
　伊勢大夢（De）71試3勝3敗1S39H 68回率1.72 PR12.39
　山﨑康晃（De）56試0勝2敗37S3H 54.1回率1.33 PR12.26
　浜地真澄（神）52試1勝3敗21H 47.1回率1.14 PR11.68
　清水昇（ヤ）50試5勝4敗28H 46.2回率1.16 PR11.41
　栗林良吏（広）48試0勝2敗31S 6H 48.1回率1.49 PR10.04
　*岩崎優（神）57試1勝6敗28S11H 55回率1.96 PR8.56
　矢崎拓也（広）47試2勝0敗1S17H 49.1回率1.82 PR8.44
　大勢（巨）57試1勝3敗37S8H 57回率2.05 PR8.3
　藤嶋健人（中）50試2勝1敗10H 50.2回率2.13 PR6.92
　*エスコバー（De）70試4勝2敗2S34H 63.1回率2.42 PR6.64
　*高梨雄平（巨）59試2勝0敗25H 46.1回率2.14 PR6.28
　マクガフ（ヤ）55試2勝2敗38S 4H 53.2回率2.35 PR6.02

©Hideki Sugiyama

〈2023年〉
　マルティネス（中）48試3勝1敗32S9H 46.2回率0.39 PR14.52
　藤嶋健人（中）56試1勝1敗4S14H 50.2回率1.07 PR11.94
　ウェンデルケン（De）61試2勝2敗3S33H 59.2回率1.66 PR10.14
　*岩崎優（神）60試3勝3敗35S12H 56回率1.77 PR8.84
　石井大智（神）44試1勝1敗0S19H 40回率1.35 PR8.18
　上茶谷大河（De）46試5勝3敗0S4H 64回率2.11 PR7.68
　松山晋也（中）36試1勝1敗0S17H 35.1回率1.27 PR7.54
　*田口麗斗（ヤ）50試3勝5敗33S6H 48.1回率1.86 PR7.14
　*ターリー（広）44試7勝1敗1S22H 41.1回率1.74 PR6.66
　勝野昌慶（中）50試5勝2敗1S20H 49.1回率2.01 PR6.47
　島内颯太郎（広）62試3勝3敗2S39H 58.1回率2.31 PR5.7
　*中川皓太（巨）44試1勝4敗14S17H 43.1回率2.08 PR5.34
　森原康平（De）46試2勝1敗17S10H 42.2回率2.32 PR4.12
　木澤尚文（ヤ）56試2勝3敗0S20H 53回率2.72 PR2.77
　加治屋蓮（神）51試1勝5敗1S16H 38.2回率2.56 PR2.71

　救援陣では中日のライデル・マルティネスが2年連続で「無双」の働き。しかし中日は最下位。宝の持ち腐れではあった。

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