広島とDeNAは先発・救援ともに防御率が良くなった。巨人は先発の防御率は改善したものの、救援陣は悪化。この間のリーグ防御率の上昇を考えると救援陣の不振は深刻だった。

©Naoya Sanuki

　ヤクルトは先発・救援ともに数字が悪化。そして中日は2年連続最下位にも拘らず、防御率は先発、救援ともに2位だった。しかし今年の中日の先発投手陣に対する援護率は2.70と防御率3.12を下回っている。打線があまりにも貧弱で、先発の好投が報われないことが多かった。このため、柳裕也（4勝11敗）、髙橋宏斗（7勝11敗）、小笠原慎之介（7勝12敗）と規定投球回数に達した3先発が揃って2ケタ敗戦を喫した。

　そんな中で阪神は先発、救援ともに2点台の防御率をキープし、圧倒的な数字になっている。これだけを見れば「余裕の優勝」のように見えるが、実は、昨年と今年では劇的な変化があった。

22年と23年先発の“貢献度指標”トップ15を比べてみる

　以下、2022年と2023年の、85イニング以上投げた先発投手のランキング、15傑。リーグ防御率に基づく指標「PR」順で数字が大きい方が優秀。*は左投手。

〈2022年〉
　青柳晃洋（神）24試13勝4敗162.1回率2.05 PR23.63
　西勇輝（神）23試9勝9敗148.1回率2.18 PR19.45
　*今永昇太（De）21試11勝4敗143.2回率2.26 PR17.56
　*大野雄大（中）23試8勝8敗157回率2.46 PR15.7
　戸郷翔征（巨）25試12勝8敗171.2回率2.62 PR14.11
　髙橋宏斗（中）19試6勝7敗116.2回率2.47 PR11.54
　*伊藤将司（神）20試9勝5敗136.2回率2.63 PR11.09
　*小笠原慎之介（中）22試10勝8敗146.2回率2.76 PR9.78
　小川泰弘（ヤ）25試8勝8敗153.1回率2.82 PR9.2
　大貫晋一（De）24試11勝8敗136.2回率2.77 PR8.96
　*高橋奎二（ヤ）17試8勝2敗102.2回率2.63 PR8.33
　*床田寛樹（広）17試8勝6敗114回率2.84 PR6.59
　ガンケル（神）16試5勝5敗92.1回率2.73 PR6.46
　菅野智之（巨）23試10勝7敗147回率3.12 PR3.92
　森下暢仁（広）27試10勝8敗178.2回率3.17 PR3.77

〈2023年〉
　*東克樹（De）24試16勝3敗172.1回率1.98 PR23.17
　村上頌樹（神）22試10勝6敗1H144.1回率1.75 PR23.09
　才木浩人（神）19試8勝5敗1H118.2回率1.82 PR18.06
　*床田寛樹（広）24試11勝7敗156回率2.19 PR17.33
　戸郷翔征（巨）24試12勝5敗170回率2.38 PR15.3
　*大竹耕太郎（神）21試12勝2敗131.2回率2.26 PR13.61
　柳裕也（中）24試4勝11敗158.1回率2.44 PR13.19
　*伊藤将司（神）21試10勝5敗146.2回率2.39 PR13.03
　九里亜蓮（広）26試8勝8敗174.1回率2.53 PR12.78
　*メンデス（巨）16試5勝5敗87回率2.07 PR10.83
　髙橋宏斗（中）25試7勝11敗146回率2.53 PR10.71
　山﨑伊織（巨）23試10勝5敗149回率2.72 PR7.78
　*今永昇太（De）22試7勝4敗148回率2.80 PR6.41
　バウアー（De）19試10勝4敗130.2回率2.76 PR6.24
　*グリフィン（巨）20試6勝5敗121回率2.75 PR5.92

　昨年の阪神は沢村賞の候補にもなった青柳をはじめ西勇輝、伊藤将、ガンケルが15傑に入り強力な先発陣を形成した。

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