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井上尚弥とタパレスの戦力差はどれほどあるのか? “パンチを予見するカメラマン”が4団体統一戦を大胆予想「前半はフルトンより危険。だが…」
posted2023/12/23 17:01
text by
福田直樹Naoki Fukuda
photograph by
Naoki Fukuda
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12月15日に横浜市内で行われた井上尚弥の公開練習から、ビッグイベントに向けてのカウントダウンがついに始まった。私を含めて、そのジムワークに集まった関係者のほぼ全員が井上の”圧倒的有利”を確信していたはずだが、当の本人がそうでなかったのがまず印象的だ。
「周囲の楽勝ムードがいちばん危険だと思っています。そういったムードを自分の中で切り替え、吹き飛ばすために、トレーニングの内容と向き合ってきました」(井上)
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どんな状況でも油断しないその姿勢が、とにかく頼もしく思えた。
井上尚弥の“アザ”は万全な調整の証か
ファインダー越しに眺めた4階級王者の目の下には珍しく“アザ”ができていたが、それも手抜きなしの練習を積んできた事実の表れだ。個人的にはその顔から、井上サイドの万全ぶりをむしろ感じ取ることができた。
Tシャツを着ていたとはいえ、上半身も今年7月のスティーブン・フルトン戦の時より心持ち分厚く見える。前回、やや少なめだった計量後のリバウンドの量も、スーパーバンタム級にもっと馴染んだものになるだろうし、26日にはこのクラスでの本領をいよいよ発揮してくれるのではないかと期待している。
19日に来日したマーロン・タパレスの方は、翌20日に同じ横浜で軽い練習を披露。井上対フルトン戦後のリングで見せた太めの体つきが一変し、頬がこけて精悍な風貌になっていた。
「コンディションが良い。自信はかなりあります。26日の試合を見れば(井上に勝る部分も)分かってもらえるでしょう」(タパレス)
終始リラックス気味だったタパレスは、余計なことをあまり付け加えずにそう語ってみせた。
井上がまったく浮ついていないのに対し、タパレス側も当然ながら自分たちの力を本気で信じて敵地に乗り込んできている。予想は井上に大きく傾いているが、両チームのそんな思いが4団体統一戦の見ごたえをいっそう引き上げていくに違いない。