数少ない攻撃の機会では、彼女の元にボールが集まっていた。また、ドイツ代表のメンバーにはデュイスブルクのチームメイトや何度も対戦している選手がおり、各選手の特徴を知り尽くしていた。

「相手のセンターバックの2人、5番より3番のほうが当たり弱いから、私が3番を背負ったときにパスを出して」

　ハーフタイムにCB岩清水梓に出した指示は、安藤だからこその的確さだった。

2011年W杯ドイツ戦後、決勝ゴールの丸山桂里奈（右）と喜ぶ安藤梢　©Alex Livesey - FIFA/Getty Images

一方、永里はなぜ“ハーフタイムに交代”だったのか

　一方の永里は、イングランド戦で手応えを得たポジショニングをこの試合でも試そうと考えていたが、その役割を安藤が担ったために、役割を失っているように見えた。

　だが、交代を命じられた最大の理由は、前線での守備に問題があったからだ。

＜#2につづく＞

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