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“ダルビッシュと2年生対決” 20年前の甲子園で話題を独占した左腕は今…東北高から珠玉の17奪三振「でも、暑かったことしか記憶にない」 

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沢井史

沢井史Fumi Sawai

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photograph byAsahi Shimbun

posted2023/08/08 11:02

“ダルビッシュと2年生対決” 20年前の甲子園で話題を独占した左腕は今…東北高から珠玉の17奪三振「でも、暑かったことしか記憶にない」<Number Web> photograph by Asahi Shimbun

甲子園史上に残る“投手戦”となった2003年夏「東北vs平安」…ダルビッシュ有を上回る17奪三振を奪ったあの“背番号1”は今…

 中学時代に京都ファイターズ(現・京都嵯峨野ボーイズ)に所属していたことで、ダルビッシュがいた羽曳野ボーイズとの対戦経験があった。東北高校には京都ファイターズ時代のチームメイトがおり、彼を通してダルビッシュと連絡を取り合うこともあったという。

「(ダルビッシュは)中学時代から有名でした。実力もそうでしたが当時はハーフの選手も珍しかったし、身体も大きかったので、本当に目立っていましたね」

 服部も1年春からベンチに入り、その秋からはエースを務めた。秋の近畿大会では決勝で智弁和歌山を破って優勝し、明治神宮大会に出場した。実は東北とは、その明治神宮大会の初戦でも相見えていた。

「神宮では東北に2-0で負けました。(3番打者の)大沼(尚平)にホームランを打たれたんです。夏の甲子園の組み合わせ抽選が決まって、3回戦まで勝ち上がったらその時以来、対戦する可能性があって、リベンジを……とはなるのですが、同じブロックに強豪校が集まっていたので最初からダルビッシュと投げ合えるかもと考えている余裕はなかったです」

ダルビッシュとの投手戦、記憶がない?

 それでも初戦では日大三を8-1で下し、2回戦では明徳義塾に2-1と競り勝った。ようやくの思いで掴んだダルビッシュへのリベンジの機会。

 だが、20年もの月日がたった今、あの試合の記憶がほとんどない。

「(2003年の夏は)こういう場面がありましたよねとよく言われても、『あぁ、ありましたね』っていう感じなんです。あとは、ベンチから湯気が出るほど暑かったことが記憶にあるくらいで。暑すぎて(甲子園の)中を見るのも嫌でした(苦笑)。あの試合はキャッチャー(原康彰)のサインに僕は頷いて投げていただけなので、正直、僕が抑えたという実感がなくて。キャッチャーの配球のお陰であれだけ三振を奪えたんだと思います」

【次ページ】 0-0で延長戦「東北がブンブン振ってくれた」

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