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「井上尚弥の圧力にフルトンが萎縮するようなら…」“パンチを予見するカメラマン”が歴史的な無敗対決を展望「中盤に試合が決まる可能性も」
text by
福田直樹Naoki Fukuda
photograph byNaoki Fukuda
posted2023/07/23 17:03
7月15日、公開練習のフォトセッションで笑顔を浮かべる井上尚弥。ボクシングカメラマンの福田直樹氏に、歴史的な一戦を展望してもらった
公開練習で井上尚弥が見せた「圧倒的な目力」
また、試合展開とは別に、カメラマンとしてずっと気になっていたのが、フルトンのトレードマークでもある長い顎髭。元4階級王者エイドリアン・ブローナーのようなこの髭が、接近戦の際に撮影の邪魔になり、アングルによっては井上の顔やグローブが隠れてしまうのではないかと来日前から心配していたが、ファイトウィークに入ってなぜか短めにカットしていたので、そこは杞憂に終わりそうだ。細かい話とはいえ、本番の撮影前に気掛かりを一つでも排除できたのは助かる。
7月半ばに横浜市内で取材した両選手の公開練習は、偵察に来ていた相手陣営を牽制してどちらも僅か数分という異例の短さだった。その中で感じたのはフルトンの背が思ったより高かったことと、Tシャツ越しでもはっきりと分かった井上の上体の分厚さ。そして、何よりもフォトセッション中に見せた井上の圧倒的な“目力”が印象に残った。
まだ本番まで日があったが、かつてないほどに集中し、気合が入っているのが見てとれた。井上がクラスを上げるたびに我々の想像を超える強さを発揮してきたことが改めて思い出され、個人的にも25日に向けての高揚感がさらに高まっている。
公開練習の時、ウェアを着たままだった二人が前日計量でどんな仕上がりを披露するかにまずは注目して、歴史的な無敗対決に備えたい。
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