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「日本の国技でアメリカの国技に挑戦したい」大学1年でアマ横綱に…相撲界“無敵の21歳”が「実戦未経験」でも本場の名門大へ編入できたワケ<アメフト転向表明>
posted2023/07/21 17:05
text by
一野洋Hiroshi Ichino
photograph by
JIJI PRESS/Xリーグ
「日本の国技でもある相撲が、アメリカの国技に挑戦するような感じです。相撲がどこまで通用するのか、日本を背負う覚悟を持って挑戦していきたいと思います」
日本体育大学相撲部1年生時の2020年に全日本選手権を制し、昨年にアメリカンフットボールへの転向を表明した花田秀虎(21歳)が7月18日、全米大学体育協会(NCAA)1部校のコロラド州立大学に編入すると発表した。
異色の「アマチュア横綱」は、アメリカンフットボールの本場のカレッジを足掛かりに、夢のNFL入りを目指す。
花田がアメリカの大学への挑戦を決意したのは、今年の3月だった。2022年3月に行われたアメフトの社会人リーグ(Xリーグ)の合同トライアウトに突然参加して話題を呼ぶと、その後はアメフト経験が1年未満ながら外国人にも当たり負けしないパワーと潜在能力を買われ、今年1月のアメリカ・アイビーリーグ選抜と対戦した国際親善試合の日本選抜メンバーに選出された。
試合出場こそ叶わなかったが、今度は3月にカナダ・エドモントンで行われたカナダのプロフットボールリーグ・カナディアンフットボールリーグ(CFL)のCFLコンバイン(ドラフト候補生の計測会)に招待された。CFLはNFLに次いで世界で2番目に規模の大きいプロリーグで、実際にNFLにジャンプアップしていった選手もいる。
カナダのトライアウトで見せた”圧倒的な実力”
そのコンバインで外国人選手を圧倒するプレーを見せた花田を紹介するSNS投稿がCFLにリツイートされ、世界中に拡散されると、それがアメリカの強豪校の関係者の目にもとまり、花田に編入のきっかけを与えることになったという。
【CFLコンバイン】合同練習2日目。日本体育大学の花田秀虎選手のハイライト。#Xリーグ #CFLCombine #アメフト pic.twitter.com/rGAkNW3hxD
— xleague ( アメフト ) (@xl1996) March 26, 2023
花田自身が「運を持っている」と言うように、アメフト経験が1年未満、しかも実戦経験ゼロの選手がアメリカの大学、それもカレッジフットボール界で最上位に位置するNCAA1部校に入学できるのは異例のケースだと言える。