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店員さんもビックリ「こんなに売れるとは」…渡辺明名人と藤井聡太竜王が頼んだ“名人戦のおやつ”ってどんな味? 記者が実際に食べてみた
text by
いしかわごうGo Ishikawa
photograph byNumber Web
posted2023/05/12 17:05
4月28日、「浮月楼」での名人戦第2局を終えて感想戦を行う渡辺明名人(右)と藤井聡太竜王。同対局では“おやつ選び”も注目を集めていた
かつての渡辺名人は、思考の妨げにならないように「相手の手番の時にはおやつを食さない」というポリシーを貫いていた。羽生善治九段には、対局に没頭するあまり注文したアイスクリームが溶けてしまい、ジュースのようにそのまま飲み干した……という有名なエピソードもある。
そういった意味では、コロナ禍以後にタイトル戦を戦っている藤井竜王の“おやつの作法”には謎が多い。今後、その謎が解明されていくことはあるのだろうか。
藤井竜王の「ぼくたち8人兄弟クッキー」は昼に完売
4月28日、名人戦第2局の2日目。
午前のおやつでは、渡辺名人が「どうする家康 バウムクーヘン 特濃抹茶 富士の初雪」(あいネット倶楽部)、藤井竜王は「ぼくたち8人兄弟クッキー」(CAT & BAKES 9456)を注文した。
ネット上を中心に大きな話題となったのは、藤井竜王が注文した「ぼくたち8人兄弟クッキー」だ。猫の顔をかたどった小型のクッキーで、“猫推し”のオーナーの愛情が伝わる実に可愛らしい一品だった。
こちらも編集者が午後にお店に向かうも、残念ながら売り切れ。ひとり1パック限定だったにもかかわらず、お昼すぎには完売していたという。お店側も「こんなに売れるとは思ってもいませんでした……」とうれしい悲鳴をあげ、しばらくは生産が追いつかないためネット販売を見合わせる(現在は数量限定で販売中)とのことだった。
店内には他にも猫をモチーフにしたキュートな商品が満載だったそうで、編集者が購入してきた「ネコちゃんラスク」「ブラウニャー」「ニャドレーヌ」の中からネコちゃんラスクをいただいた。手のひらよりも大きいくらいのサイズのラスクで、食べ応えは十分。何より、このまま飾っておきたいほどの愛らしさである。対局中の藤井竜王も、「ぼくたち8人兄弟クッキー」の可愛さに癒やされていたのだろうか……。
2日目の午後3時のおやつタイム(両者とも注文は飲み物だけ)が終わると、いよいよ対局も佳境に入ってくる。夕食は渡辺名人がざるそば、藤井竜王はおにぎり2個と、ともに軽め。そして午後8時前に、渡辺名人が投了して勝負は決した。
名人戦第3局は、大阪府高槻市の高槻城公園芸術文化劇場で5月13日、14日に行われる。
この第3局でも、提供されるメニューのラインナップは選考会を経て決まったようだ。盤上だけではなく、両者の昼食とおやつの“指し手”にも注目してみてはどうだろうか。
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