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[キャプテンの肖像]マルティン・ウーデゴール「“神童”はロンドンで開花した」
posted2023/04/13 09:05
text by
ジョナサン・ウィルソンJonathan Wilson
photograph by
Getty Images
19年振りの戴冠に向け、快進撃を続けるアーセナル。その中心には、絶対的支柱とも言えるこの男がいる。ノルウェーで生まれ、「天才」と呼ばれた少年――。彼が刻んだ苦悩の足跡にこそ、統率力の原点がある。
今季のアーセナルのキャプテンにマルティン・ウーデゴールが指名された時、周囲に異論を挟む者はいなかったという。ローン期間を含め、まだ1年半しか在籍していなかったにもかかわらず、当時23歳の彼はすでに仲間の厚い信頼を集めていたからだ。
その半年ほど前にピエール=エメリク・オーバメヤンが主将の任を解かれ、バルセロナに去っていった時、ミケル・アルテタ監督は残りのシーズンのキャプテンを何人かの選手に任せることにした。ウーデゴールもその一人に選ばれたことを、過去に腕章を巻いた経験のあるグラニト・ジャカは支持。現在30歳のスイス代表MFはその理由を次のように語る。
「彼が精神的に成熟した選手だということは、チームの全員が認めている。実年齢はとても若いが、ピッチ上の姿を見れば、僕と同い歳と言われても疑問に思わない。すでに五、六百試合を積んできたベテランのように見えることさえある。間違いなく、アーセナルのキャプテンの重責を全うできる選手だ。毎日、誰よりもハードワークを重ね、居残り練習も熱心にする。そしてあれほどの能力を備えているのに、驕ったところがまったくない。彼が穏やかに口を開けば、誰もが熱心に耳を傾けているよ」