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19歳から丸刈りとヒゲ「あの頃からベテラン感があった」東大監督・林陵平が語る前田大然との出会い…今も保存する衝撃の証拠写真とは?

posted2022/12/29 11:05

 
19歳から丸刈りとヒゲ「あの頃からベテラン感があった」東大監督・林陵平が語る前田大然との出会い…今も保存する衝撃の証拠写真とは?<Number Web> photograph by J.LEAGUE

2017年、J2水戸ホーリーホックで13ゴールを挙げた前田大然(当時20歳)。翌年、松本山雅に復帰してJ1昇格に貢献した

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杉園昌之

杉園昌之Masayuki Sugizono

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圧倒的なスピードとスタミナを駆使した“鬼プレス”で世界を驚かせた前田大然(25歳/セルティック)。28日のリーグ戦では豪快なミドルシュートを叩き込むなど、そのキレは健在のようだ。そんな、さらなる飛躍を誓うスピードスターがブレイクのきっかけを掴んだのが2017年だった。レンタル先の水戸ホーリーホックで共に2トップを組んだ林陵平氏(現・東大ア式蹴球部監督)の言葉で覚醒前夜を振り返る(全2回の1回目/#2へ)

 カタール・ワールドカップで大国のドイツとスペインを撃破し、過去最高のベスト8へあと一歩に迫ったサッカー日本代表は大きなインパクトを残した。劇的なゴール、アシストで脚光を浴びたMFもいれば、信じ難い数字を残して衝撃を与えたFWもいる。

 3試合先発出場。プレー時間は183分。スプリント回数は197。1分間に1回以上、時速24km以上のダッシュをしている計算になる。前田大然(セルティック=スコットランド)のデータには、ABEMAで試合を解説した元日本代表の本田圭佑も、「信じられへん、嘘でしょ?」と驚がくのあまり笑うしかなかった。無論、ピッチでただ駆け回っていたわけではない。

 グループステージ第3戦のスペイン戦。後半開始早々に生まれた堂安律(フライブルク=ドイツ)の同点ゴールも、元をたどれば、驚きの脚力がきっかけとなっている。

 こぼれ球に対して、自陣で相手にプレスをかけると、バックパスをどこまでも追いかけ、GKウナイ・シモンまでチェイス。スペインのビルドアップが手詰まりになるや、GKに戻ったボールへ再びアタック。この後、GKがたまらず逆サイドへ展開したところで、日本はボールを奪い、得点につなげた。プレスの鬼は“2度追い”どころか、3度、4度も連続して追いかけていたのだ。

「大然にとっては当たり前のこと。どれだけ走ってもほとんど疲れは見せないし、本人は苦に感じていないと思いますよ。僕はワールドカップの数字を見ても驚かなかったです」

 現在、東京大学のア式蹴球部(サッカー)で監督を務めながら、解説者としても活躍する林陵平氏は、5年前と変わらない風貌で走り回る相棒の姿を見て、昔を懐かしんでいた。

「あの頃からベテラン感を出していた」

 現役時代の2017年シーズン、J2の水戸ホーリーホックで2トップを組み、たびたび目を丸くしたという。

 松本山雅FCからレンタル移籍で水戸に加入してきた19歳の前田は、いまと同じ硬派な丸刈り頭でうっすら髭を生やし、10代とは思えぬ落ち着いた雰囲気を漂わせていた。カタールから帰国時にお洒落な黒縁メガネをかけて話題をさらったが、当時からファッションには気を遣っていたようだ。クリスチャンディオールの香水を愛用し、大人っぽいサングラスをかけることもあったという。

「洒落こけるのが好きでしたけど、見せびらかすようなタイプではなかったです。落ち着きがあり、見た目も性格も、あの頃からベテラン感を出していましたね」

 むしろ、目立っていたのは、トレーニングウエアに着替えてからだった。技術面では荒削りな部分が多くあったものの、それを補って余りある武器を持っていた。

【次ページ】 あんなスタミナあるFW見たことない

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