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この2年で急増、“宅トレYouTube激戦時代”を当事者はどう見る? 登録者250万人超、加藤ひなた「突き詰めたら、トレーニングってみんな一緒」
text by
小泉なつみNatsumi Koizumi
photograph byTakuya Sugiyama
posted2022/11/02 11:02
宅トレなどの動画を配信し、人気ユーチューバーの加藤ひなたさん
“宅トレYouTuber”激戦時代の実感
――今は宅トレYouTuber激戦時代かと思うんですが、実感としてはいかがですか。
加藤 私の動画を見る日もあれば、他の方のYouTubeを見てトレーニングしたり、みんないろいろミックスしてると思いますよ。
突き詰めたら、効果的なトレーニングの動きってみんな一緒なんです。だから、最終的にはその人の着てるウェアが好きとか、フィーリングが合う気がするみたいな部分でみんなYouTuberを選んでるのかなって。そう考えると、私に少しでも共感できる人が「ひなちゃんねる」を見てくれてるんじゃないですかね。
一方で、よく妊娠中の方から「妊婦でもできるトレーニングを教えてください」ってリクエストをいただくんですが、自分が妊娠したことがないから、それについては発信ができないと思ってて。たしかに宅トレYouTuberの数は増えてはいますけど、「10代」「妊娠中」みたいに、みんなそれぞれが自分にしかできない部分を見つけて発信して、うまい具合にジャンル全体を盛り上げていけてるんじゃないかなって思ってます。
――宅トレYouTuberの中でもジャンルが細分化しているんですね。
加藤 私は本当に面倒くさがりで、ご飯作ってお皿洗うのが本当にしんどいくらい面倒くさがりなんです。だから、そんな自分でも続けられるトレーニングを発信していくことが自分の役割だと思ってて。面倒くさがり屋さんに向けて短くてわかりやすいメニューを、と思っていつも作っています。
大切にしている「私」目線
――プロの運動指導者が教える動画も多いですけど、当事者目線の動画が、見る人の共感を引き寄せるんですね。
加藤 プロのトレーナーさんと同じくらいトレーニングしたらめっちゃ絞れるし、めっちゃムキムキにもなれるじゃないですか。でも、運動専門家と一般の我々って、それにかけられる時間が圧倒的に違いますよね。だから、生活スタイルを踏まえながら“続けやすさ”を考えなきゃいけないと思っています。
あとは、専門家の言葉はやっぱり専門用語なので、そこをいかに「私」目線に置き換えて訴えるかが大事なんじゃないかと思ってます。
――効果音をうまく入れたり、イラストが入っていたり、加藤さんのチャンネルは飽きることなく動画を見られる工夫がたくさん詰まっていますよね。動画作りは独学で?
加藤 はい、独学です。私も高校生のときはテキストだけのモノクロの教科書より、イラストがあってカラフルな教科書の方が見やすかったので、動画のときもそういう感じで作っていて。アニメのキャラを入れるのも同じ理由ですね。