2）藤井棋聖の3連覇と20歳誕生日！

　公式戦での藤井聡太五冠について触れていきましょう。永瀬拓矢王座との第93期棋聖戦は6月終了時点で1勝1敗となった中で、7月の第3、4局で3連勝。研究をともにし、アベトナでも「チームバナナ」として共闘した盟友相手の初タイトル戦で3勝1敗と防衛に成功しました。

　第1局は2度の千日手による永瀬王座の勝利、第2局は藤井棋聖が非常に持ち時間が短い中で勝利を手繰り寄せました（様々な解説や記事を目にしてすごみを知りました）。その流れを永瀬王座に渡さずに連勝。7月17日の第4局は地元・愛知県の名古屋市での3連覇達成となりました。

棋聖戦第4局の終局後　©日本将棋連盟

　その2日後に20歳の誕生日を迎えた藤井棋聖。10代のうちに「5つのタイトル獲得と通算タイトル9期」というのがあらためて凄いことだと分かってもらうために絵でもランキング化しましたが……。

＜通算タイトル獲得記録＞※2022年7月末現在
1位 羽生善治九段 99期
2位 大山康晴十五世名人 80期
3位 中原誠十六世名人 64期
4位 渡辺明名人 31期
5位 谷川浩司十七世名人 27期
6位 米長邦雄永世棋聖 19期
7位 佐藤康光九段 13期
8位 森内俊之九段 12期
9位 藤井聡太竜王 9期

　これで通算9位に。木村義雄十四世名人や加藤一二三九段を1期上回るとは！ 冷静に考えると、とんでもない偉業を現在進行形で見せてもらっているのだなと改めて感服します。それと同時に羽生九段と長年にわたって同時代に戦いながらトップ10に入ってる渡辺名人、谷川十七世名人、佐藤九段、森内九段も凄まじいわけで。現代将棋のレベルの高さを実感します……。

　歴代の偉大な棋士にどれだけ近づき、そして肩を並べる日は来るのか――ついに大山十五世名人や中原誠十六世名人という昭和の大棋士を描けた喜びとともに（笑）、ロングスパンでの活躍にもぜひぜひ期待したいですね。

王位戦では連勝＋「かっぱ」おやつ

　2日制で開催されている王位戦でも第2、第3局と藤井王位が連勝しました。しかし七番勝負と第1局で豊島九段が見せた研究量を踏まえると……8月15、16日の第4局、24、25日の第5局で、将棋の女神はどちらに微笑むのか。

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