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「僕とタイトルホルダーは折り合えるんだ」 横山家の長男・横山和生(29)が明かした天皇賞・春への自信と“父・典弘からのアドバイス”

posted2022/04/30 06:02

 
「僕とタイトルホルダーは折り合えるんだ」 横山家の長男・横山和生(29)が明かした天皇賞・春への自信と“父・典弘からのアドバイス”<Number Web> photograph by Photostud

3月26日、和生にとって騎乗2戦目となった日経賞では、ゴール前の追い込みをしのいで逃げ切った

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藤井真俊(東京スポーツ)

藤井真俊(東京スポーツ)Masatoshi Fujii

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昨年、飛躍を遂げた騎手一家の長男・横山和生(29)が巡り合ったのが、その名の通りGIのタイトルを菊花賞で手にしたステイヤーだった。向かうは“本番”と位置づける春の盾。一体どんなレースを思い描くのか――。《初出『Sports Graphic Number』1049、2022年5月6日発売号/肩書などはすべて当時》

 昨年は年間79勝を挙げ、関東リーディング4位となった横山和生。これまで最高が2013年に挙げた39勝だったことを考えると、大きな飛躍を遂げた1年間だったと言えるだろう。しかし当の本人に躍進の秘密を聞くと「それだけいい馬に乗せて頂いたということ。でも最近になって何か特別なことをしたわけではないんですよ」と首を横に振ってみせた。

「きっかけがあるとすれば、数年前からでしょうか。自分が調教やレース、返し馬やゲート裏の雰囲気から感じたことを関係者と共有して、一緒に馬を作っていくようなイメージでアプローチしてきたんですよね。自分自身、一時は成績もかなり落ち込んでいて、『今週は乗り馬がいるんだろうか……』なんて悩んでいた時期もあったのですが、そのような中でも乗せてくれた関東の先生達、そして関西の先生にも声をかけていただき、応援して下さる方が少しずつ増えてきて、それが結果として大きく結びついたのが昨年だったのかなと思っています」

「競馬が終わった後によく父と話をするんです」

 自分が感じたことを関係者に伝える――。言葉にするのは簡単だが、ジョッキーの進言というのは時に責任を伴う。良かれと思って口にしたアドバイスが裏目に出ることだって当然ある。葛藤する和生の背中を押してくれたのは、父であり、騎手としての大先輩でもある典弘だった。

「競馬が終わった後によく父と映像を見ながら話をしたりするんですが、その時に『もっとこうした方が良かったんじゃないか』とか『お前はどう感じたんだ』とか言われるわけです。その時に自分なりの考えを話すと『じゃあそう乗れば良かったじゃないか』となることがあって……。そういう繰り返しの中で、思っていることを話さずに負けて後悔するよりも、自分の責任になったとしても相手に思いを伝えた方がいいと考えるようになりました。ちょうどエージェント(騎乗依頼仲介者)を外して自分で騎乗馬を管理するようになったタイミングで、調教師の先生方とコミュニケーションを取る機会が増えたのもプラスに働いたと思います」

 いい馬に乗る機会が増え、関東のリーディングジョッキーであり昨年GI 5勝の弟・武史とも、大きなレースで戦うことが多くなった。

「意識をしないと言ったらウソになりますが、それは自分より上の順位にいる騎手だから。普段は一緒にレース映像を見て、お互いの騎乗への感想を言いあっています。その関係性は変わらないですね」

【次ページ】 「タイトルホルダーに“和生”という人間を理解してもらえた」

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