そんななか、中団につけていたスターズオンアースは、川田が「思っていたより進んで行けなかった」と言ったように、序盤は促されながらの追走となった。それでも、馬ごみにも怯むことなく、外に張り出してきた馬に体をぶつけられても、川田の叱咤に応えて馬群を割り、差し切った。

　レース展開としては、好スタートから2番手につけ、満を持して抜け出したウォーターナビレラが勝ってもおかしくなかった。それをねじ伏せるように差し切ったのだから、相当強い。陣営が、モタれる癖を修正するため馬銜（ハミ）を変更したことも奏効したようだ。

　流れが緩くても掛かるどころか、追っつけ気味になったということは、距離が延びるオークスでも折り合いの心配はなく、むしろ、道中の立ち回りはスムーズになるだろう。2代母がフランスのオークス馬スタセリタで、伯母に阪神ジュベナイルフィリーズと日本のオークスを勝ったソウルスターリングがいる母系からも、そして父が二冠馬ドゥラメンテということからも、オークスでも勝ち負けが期待できる。

レース後、スターズオンアースの頑張りを称える川田将雅　©Photostud

結果的に内枠有利だった阪神の馬場状態

　このスターズオンアースが4枠8番、2着のウォーターナビレラが3枠6番、そして、6番人気ながら3着と健闘したナムラクレアが1枠1番と、今回は、真ん中より内の枠の馬たちの好走が目立っていた。

　前日の土曜日から、阪神芝コースは直線では3m、コーナーでは4m外側に内埒を設置するBコースになっている。内側でもそれほど傷みはなく、内外イーブンな馬場状態になっていたので、コースロスの少ない内が有利になっていたのか。もちろん、内だと包まれるリスクがあるので、揉まれ弱い馬は外枠のほうがいいのだが、8枠16番の2番人気サークルオブライフが4着、8枠18番の1番人気ナミュールが10着、7枠14番の4番人気プレサージュリフトが11着という結果からすると、外枠の馬には厳しい舞台設定だったと見るべきだろう。

　それでも、勝ち馬からコンマ1秒差の4着に追い込んできたサークルオブライフは、さすが2歳女王という走りを見せた。内枠を引いていれば、もっと差は詰まっていただろうし、逆転もあったかもしれない。

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