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《史上最年少の完全試合》ロッテ佐々木朗希(20歳)が昨夏に明かしていた“未来予想図”「結果は残せるんじゃないかなと、信じているんです」

posted2022/04/10 20:00

 
《史上最年少の完全試合》ロッテ佐々木朗希(20歳)が昨夏に明かしていた“未来予想図”「結果は残せるんじゃないかなと、信じているんです」<Number Web> photograph by JIJI PRESS

プロ野球28年ぶりの「完全試合」を達成した佐々木朗希(20歳)

text by

鈴木忠平

鈴木忠平Tadahira Suzuki

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JIJI PRESS

4月10日、ロッテ佐々木朗希が完全試合を達成した。プロ野球界にとっても1994年の巨人・槙原寛己以来、28年ぶりとなる快挙で、20歳5カ月での達成は史上最年少記録となった。また、この日は5回までに13者連続三振に打ち取り、64年ぶりに日本記録を更新。最後の打者・オリックス杉本も三振に仕留め、日本記録に並ぶ19奪三振をマークした。昨夏のNumberWebインタビューで明かした、今季の活躍を予感させる“自分への期待”と“壮大な未来図”とは? 2021年8月27日に配信した記事を再公開します(肩書きなどは全て掲載時のまま)。

 二十歳のころ、自分の将来について、どれほどの未来図を描けていただろうか。そもそも人生の地図なんて持っていなかったような気がする。

 ある日、「きょうは成人式だから」と言われ、ダボダボのスーツを着せられ、大人になった実感もないまま、何となく体育館に並んでいただけだったような憶えがある。自分に何ができるのかなんてわからず、成人の日が終わればまたアルバイトに行って、仲間と酒を飲んで、モラトリアムな日常に戻っていった……。

 なぜ、そんなことを思い出したのかといえば、佐々木朗希がまもなく20歳を迎えると聞いたからだ。高校時代に、すでに160キロを超えるスピードボールを投げて、「令和の怪物」と呼ばれた選手は、つまりある分野において傑出した能力を持っている人間は、やはり明確な未来図を持っているのだろうか――。

「そうですねえ……、たとえば中学生くらいのときは、20歳になったら大学生になっているかなあと、それくらいにしかイメージしていなかったと思います。正直、何も見えてはいなかったです。今もチームにいると一番若いくらいなので、子ども扱いされますし、大人になった実感は全然ないです」

 そう言った19歳9カ月の表情には、あどけなさが浮かんだ。

「まあ、20歳になって年齢を重ねていけば自由が増えると思うので、その中でも自分を律していければいいかなと思ってます。プロになって2年目ですし、少しずつ自覚を持ちながら、成績も残していかなければいけないので……」

 色白の顔に物静かな口調も手伝ってか、彼は160キロを投げるピッチャーにしては控え目すぎるような気がした。世の多くの学生と同じように、まだ人生の地図を描けていないようにも見えた。

【次ページ】 イチローと松坂から感じた「野望と確信」

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