Number ExBACK NUMBER

7年前、大谷翔平に栗山監督が激怒した理由…“開幕前の調整”をめぐって「アイツはバカ野郎なんだよ」「説明する必要はないかな、と」 

text by

石田雄太

石田雄太Yuta Ishida

PROFILE

photograph byKYODO

posted2022/04/08 06:00

7年前、大谷翔平に栗山監督が激怒した理由…“開幕前の調整”をめぐって「アイツはバカ野郎なんだよ」「説明する必要はないかな、と」<Number Web> photograph by KYODO

日本で初めて開幕投手を務めた2015年、知略に長けた日本ハム・栗山英樹監督と、底知れぬ大谷翔平20歳のせめぎ合いがあった――

「説明する必要はないかな、と。それを言ったところで(監督が)落ち着くわけでもないですし、それは結果で示すしかない。別に僕がそこで何か説明しても、言い訳にしか聞こえないじゃないですか」

 大谷は何のことを話していたのか。

 話を1年前に戻そう。

「ふざけんな」。大谷を叱り飛ばした日

 2014年の2月1日、大谷はキャンプ初日のブルペンに入った。プロ2年目の大谷を、ピッチャーに軸足を置いた二刀流にシフトしようと考えていた栗山監督は、キャンプ初日の大谷に期待していた。しかしその日のブルペンでのピッチングは散々だった。結局、シーズンに入って大谷はピッチャーとして成長を遂げ、指揮官の不安は杞憂に終わったのだが、2014年の夏、栗山監督がこんな話をしていたことがある。

「あの初日は、命取られるんじゃないかと思ったくらい、心配した。バランスは悪い、コイツ何やってんだっていう、ひどすぎるフォームだったからね。あれが何だったのか、アイツに訊きたいよ。オレには何も言わないんだ。たぶん、翔平はピッチングとして成り立たなくてもいいと思っていたのかもしれないけど、こっちは最初のブルペンなんだから、キッチリしたフォームで投げてくれると思うじゃない。そこにギャップがあったんだろうね」

 その2014年のキャンプ初日、栗山監督は「ふざけんな」と大谷を叱り飛ばしている。それをメディアが報じ、ちょっとした騒ぎになったのだが、そんなときの大谷は、大騒ぎする周りを眺めて戸惑っているのか、あるいはどこ吹く風なのか、表情からは読み取りにくい反応になる。当時の思いについて大谷は、こう振り返っていた。

「大丈夫かっていう記事も多かったですし、監督からも怒られましたけど、僕としてはそんなに悪いことしたかなって感じでした。だって、音合わせの作業はキャンプが始まってからでいいかなと思っていましたし、あれは僕からしたら、前へ進むための段階です。決して後ろに下がっているわけではない。一見、技術的に衰えているというか、フォームがバラバラなように見えますけど、それは身体が大きくなって肉体的なレベルが向上したから。そのレベルにフォームがまだついていってなかっただけなんです」

BACK 1 2 3 4 NEXT
#大谷翔平
#ロサンゼルス・エンゼルス
#北海道日本ハムファイターズ
#栗山英樹

MLBの前後の記事

ページトップ