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「絶対下を向かない、全打席打ってやる」2年目にして開幕戦4番確定、DeNA牧秀悟の打撃技術を超越する“負けず嫌い” 

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石塚隆

石塚隆Takashi Ishizuka

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posted2022/03/21 06:00

「絶対下を向かない、全打席打ってやる」2年目にして開幕戦4番確定、DeNA牧秀悟の打撃技術を超越する“負けず嫌い”<Number Web> photograph by KYODO

新人王は逃したものの、昨年は圧倒的な打撃成績で新人特別賞獲得。オフは大和と自主トレを積んだことで、守備面でもさらなる成長が見込まれる

 さて昨年のシーズン終了後、牧に“2年目のジンクス”について尋ねたことがあった。そのときは「めちゃくちゃ不安ですよ」と正直に答えてくれたのだが、その思いは今も変わらないのだろうか。

「まだまだですね(苦笑)。シーズンに入ったら攻め方も厳しくなるでしょうし、正直まだ探り探りの部分はあるので」

 そう謙遜をするが、きっと牧なら大丈夫だと思わずにはいられない。改めて「とはいえ、行けますよね?」と念押しをすると、牧は口元を引き締めて言った。

「はい、行けます!」

 チームにとって巻き返しの1年。三浦監督からは「どっしりと構えてくれていればいい」と伝えられた4番の座。入団2年目の開幕戦4番打者は、1960年の桑田武以来62年ぶりとなる。ちなみに1960年といえば、DeNAの前身である大洋ホエールズが球団史上初めてリーグ優勝、日本一になったシーズンでもある。

 昨年はシーズン後半に4番を経験し、十分な結果を残している。また学生時代から慣れ親しんだ打順であり、打席の入り方や気持ちの作り方も含め、そこに気負いはない。チャンスの場面での打席が増えることは間違いなく、牧個人としてはチームへの貢献度が高い打点王のタイトルを目指す。

泥臭く、自分らしく

 改めて牧に問う。今年はどのようなシーズンを過ごし、戦っていきたいのか。

「とにかく1点でも多く得点をして、守り抜く。泥臭く、勝ちにこだわった野球をしていきたいと思います。個人成績ももちろん大事ではありますが、まずは勝たないことには去年のやり返しができません。本当に泥臭く行きたいです」

 何度も口をつく「泥臭く」という言葉。あくまでも名より実を取ることに全力を尽くす、牧らしい姿勢である。

「自分は、自分らしくやっていきたいですね」

 いよいよ始まる2022年シーズン。チームの中心でどっしりと構えた牧がどんなプレーをするのか。“横浜反撃”の命運を握る男の活躍と献身に今季も注目したい。

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