芝　ルミネは相性がいいので、ここなら行けるかなと思っていたら、じつは思ったほど手応えがなくて。僕らの次の出番だったオズワルドは「完璧でしたよ」って言ってくれたんですけど。でも、準決勝のニューピアホールで、ようやく納得がいく反応が返ってきて。初めて、行けたかも、と思いましたね。今回は油断しちゃいけないと思って、自分への評価も自然と厳しくなっていたのかもしれません。

――準決勝を突破し、決勝までの2週間とちょっとは、いちばん楽しい時期だと聞きますが、いかがでしたか。

芝　ゴールデンタイムだって、よく聞きますよね。でもコロナもあって、飲みに行ったりとかはなかったので、そこまでちやほやしてもらっている感じはありませんでした。ただ、他の芸人さんが、自分たちのことのように喜んでくれているのは嬉しかったですね。何年も前から、先に売れてる芸人たちが、僕らの名前をちょこちょこ出してくれてるのに、それに見合う結果を出せていなかったという歯がゆさがあったので。

――モグライダーとランジャタイが決勝までの約2週間、ネットニュース等で、もっとも露出が高かった気がします。

芝　ありがたい限りです。でも、ともしげには組んでからずっと「地に足を付けてやれよ」ということしか言っていなくて。なのに、浮きっぱなしで。今度も、決勝までの間、そればっかり言っていました。ようやくM-1優勝というものも現実感を持って感じられるところまできたんだから、今度こそ、地に足を付けてやれよ、と。

ともしげ　じゃないと、僕らのネタってウケないんで。

芝　「楽すんなよ、すぐ」って。「好かれにいこうとするなよ、すぐ」と。今回の決勝進出がそうだったように、まじめにがんばっていたら、その結果、好いてくれる人がけっこういた、というぐらいでいいんだから、と。

――ようやくたどり着いた決勝の舞台の第一印象はいかがでしたか。

芝　決勝進出者が発表されたあと、テレビ局の偉い方が、言ってくれたんです。決勝当日、最高の状態を整え、みなさんをお待ちしております、って。なんか、言い方というか、セリフが、まるで星野リゾートの人みたいだな、とか思って。僕ら、客じゃないのに、と。でも行ったら、嘘じゃなかったんです。M-1は、スーパー漫才師ファースト。あんな風に接待されたの、生まれて初めてでしたね。

M-1はいちばんいいときの「牙狼」（パチンコ台）

ともしげ　メチャメチャすごいんですよ。お弁当も豪華だし、スタッフさんたちのM-1を何としてでも成功させようという熱気も半端じゃない。

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