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朝ドラ『カムカムエヴリバディ』で「取手二高」が話題に…38年前、高2の桑田&清原が敗れた甲子園決勝「取手二高vsPL学園」どんな試合だった?
text by
熊崎敬Takashi Kumazaki
photograph byAFLO
posted2022/03/01 18:55
桑田、清原を擁し、夏連覇を狙うPL学園(大阪)を決勝で破ったのは取手二高(茨城)だった。38年前の夏の決勝はどんな試合だったのか?
「結局僕たち木内さんの掌で踊らされていたんですね」
石田、柏葉、また石田――。意表を突く継投は、木内マジックと呼ばれて長く語り継がれている。だが、木内は魔法を使ったとはけっして思っていない。
「石田はね、守勢にまわると弱い子なんだ。死球を出して弱気になっちゃったから、一度冷静にさせようと思ったんだ。あいつ、ライトで後悔してたなあ」
図太い吉田には焚きつけるようなことを言い、繊細な石田にはチャンスを与える。木内は子どもたちに合わせて采配を振るっていただけだった。
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「そう、性格が弱い子には弱い子なりの、強い子には強い子なりの付き合い方がある。それだけのことだっぺ」
木内は種を明かしてみせた。
「結局僕たち木内さんの掌で踊らされていたんですね」
後年、同じく指導者の道を歩んだ中島は、木内の考え方が理解できるようになった。耳元には、あのときの記者の声がこびりついている。
――桑田が言ってたよ、これが茨城県一のチームですかって。
「あの言葉でこの野郎って思ったんです。ひょっとして……、あれも木内さんの仕業だったのかなあ」
26年後のいまも、教え子たちは魔法にかけられたままだ。