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バッハ会長は10分スピーチで“ワリエワ問題”に触れず…「りくりゅう」のサプライズリフトや最新テクノロジーで幕《北京五輪閉会式》
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NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph bySPUTNIK/JIJI PRESS
posted2022/02/21 11:00
北京五輪の閉会式でスピーチしたIOCのバッハ会長
19日間の全競技を終えた北京五輪は20日夜、北京・国家体育場(鳥の巣)で閉会式が行われた。
今大会では日本選手団史上最多となるメダル18個(金3、銀6、銅9)を獲得。銀メダリストとなった鍵山優真やカーリング女子日本代表(ロコ・ソラーレ)のメンバーらも閉会式に参加した。入場した日本選手団はフィギュアスケートの三浦璃来、木原龍一の「りくりゅう」ペアが競技さながらのリフトを見せたり、アスリートたちが輪になって楽しむシーンもあった。
閉会式は開会式に引き続き、映画監督のチャン・イーモウ氏が演出の総監督を務めた。こちらも開会式と同じく著名人などの参加はなかったものの、AR(拡張現実)を使用しての「中国結び」や雪の結晶を会場内に映し出すなど、最新のデジタル技術を用いた演出が取り入れられた。
さらに北京から2026年の開催地であるミラノ・コルティナダンペッツォへの五輪旗の引き継ぎも行われた。冬季五輪史上初となる複数都市の開催となる中で、都市部ミラノと山岳地帯コルティナダンペッツォのイメージをダンサーと映像で表現した。
バッハ会長は北京五輪での“各種問題”には触れず
終盤にはIOCのトーマス・バッハ会長がスピーチ。“話が長い”との印象があってか、約10分間の中で五輪開催への感謝や世界平和への願いについて述べた。
なおこの日のスピーチではフィギュアスケート女子のカミラ・ワリエワ(15)で揺れたROCのドーピング問題、スキージャンプ混合団体・高梨沙羅(25)のスーツ規定違反などを筆頭にした判定問題については触れなかった。
ワリエワの件については、イギリスの公共放送「BBC」に出演した平昌五輪金メダリスト(スケルトン)のリジー・ヤーノルド氏が「私たちが最も大きく学んだのは、アスリートが人間であると再確認したことでした。若年層のアスリートを守る必要があります」と述べたとも報じられた。多くのドラマティックな展開とともにスポーツ倫理をめぐる問題も起きた大会が幕を閉じた。