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「将来は男性として生きていきたい」元なでしこ横山久美(28歳)が明かす新婚生活と、スタジアムでのサプライズプロポーズ
posted2022/01/09 11:00
text by
石井宏美Hiromi Ishii
photograph by
Getty Images
「チームとして優勝して初めての雰囲気を味わえたというか、NWSL(アメリカ女子プロサッカーリーグ)には夢があるなと感じられた。すごくいい経験ができたと思います。それに、自分がまだまだやらなきゃいけないことがあるんだと突き付けられたし、世界にはすごい選手がいるんだということも痛感させられましたね」
NWSLのワシントン・スピリットに所属する元サッカー女子日本代表FW横山久美(28歳)は、今季リーグ戦12試合に出場。チームは11月20日のファイナルを延長戦の末に制し、女王に輝いた。
サッカー選手として充実した時間を過ごした横山にとって、2021年はオフ・ザ・ピッチでも大きな転機となる1年だった。
6月にはトランスジェンダーであることを公表し、11月には自身のインスタグラムで結婚を報告。写真の2人はとても幸せそうな笑顔を浮かべている。右手には結婚証明書、隣にはパートナー・なみさんの姿。
「表情が柔らかくなったね」
パートナーの存在がそうさせているのだろう。最近、友人たちからよくこう声をかけられるのだという。
プロポーズはスタジアムで
プロポーズは10月。なみさんを驚かせようと、スタジアムで行った。
「まずは指輪選びを知人に手伝ってもらって、プロポーズまでは自分の部屋に置いておけないからチームメイトの部屋に置かせてもらって。(プロポーズの時に)スタジアムを使うためにチームメイトに相談したり、チームのスタッフが動いてくれたり、本当にいろいろとみんなに助けてもらいました。だけど、本人は薄々感じていたようで……(笑)」
それでも、彼女は泣いて喜んでくれた。横山本人はあまりにも緊張しすぎて、プロポーズで「ほとんど何を言ったか覚えていない」というが、返事は『YES』。翌日、練習に行くとロッカーにはシャンパンなどが置かれ、多くの人に祝福された。
お互いの両親にもそれぞれ報告。パートナーであるなみさんの家族には以前、挨拶に行っている。
「すごく受け入れていただいている感じがあってうれしかった」