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体操の次世代エース 北園丈琉の進路が大学ではなく「徳洲会」の理由とは〈18歳で東京五輪個人総合5位〉
text by
宝田将志Shoji Takarada
photograph byAFLO
posted2021/07/29 11:02
清風高校の梅本英貴監督と3年生だった頃の北園丈琉
キーワードは「没頭」と「体づくり」。
そのような中で、期待の新鋭は“古豪”徳洲会を選んだ理由とは?
「一番、体操に専念できる環境。体操以外でも食事の面とかも整っている」と北園。他チームとの比較には細かく言及しなかったが、キーワードは「没頭」と「体づくり」だろう。
北園は小学生の頃、通っていた地元のトミオカ体操スクールで「体操は楽しいものだと教えてもらった」という。「成功するとほめてくれて、もっとやりたいなという思いにさせてもらった」。
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当時から「みんなと同じだと、同じようにしかうまくなれない」と、自ら練習方法を考え、練習が始まる1時間半も前から1人でウォーミングアップをしたり、体を動かしていた。
決して体操のセンスが抜群な訳ではない。むしろ、どちらかと言えば不器用なタイプだ。長所は筋力の強さ。その分、あん馬や鉄棒は、力を抜いて滑らかに体を操るのに苦労した。
「どうやってコツをつかんだかですか? そこは練習量しかないですね」
徳洲会は神奈川県鎌倉市に専用体育館を持っており、チーム練習以外も納得するまで汗を流せる。努力こそが自身の礎だと信じる者にとって、体操に向き合う時間を確保しやすい点は重要な要素だった。
「どこに行っても、やるのは自分なんで」
体への意識も高い。身長は中学校の3年間で20cm以上伸びるなどして現在は154cm。まだ成長は止まっていないという。高難度の演技を行い、かつパワーがあるため腰や手首を痛めやすい。
徳洲会は専門のトレーナーがいるのはもちろん、昨年5月からは管理栄養士とも契約を結んでいる。体育館内に新設されたキッチンで、栄養バランスが計算された昼食と夕食が調理され、提供される。体が出来上がりきっていない17歳は、そこもプラスに捉えたようである。
「どこに行っても、やるのは自分なんで。東京五輪が今年でも来年でも徳洲会を選んでいました」
誰がチームメートかよりも、自分の体操を突き詰められる環境か。そこにこだわった選択だった。