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《八村塁のチームメイト》ロビン・ロペスはなぜ少年バスケ漫画を作った? 作画は日本人に依頼「スラムダンクは歴史上もっとも影響力が強いマンガ」
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph byAP/AFLO
posted2021/07/20 17:00
ウィザーズで共にプレーした八村塁とロビン・ロペス。マンガ制作において、幼少期の沖縄生活や八村の話は大いに参考になったという
「このストーリーは、僕らの子ども時代の経験に色々ともとづいているんだ。主人公のキャム・フォードは高校のフレッシュマン(日本の中学3年)で、母親といっしょにドイツにある米軍の基地に住んでいた。それが、母の仕事の都合で沖縄の離島に引っ越すことになった。『トランジションゲーム』というタイトルはそこから取っている。高校生にとって学校の友達は世界で一番大事な存在だ。それが母の転勤によって友達から離れて、新しい世界に行くことになる。15歳の少年にとって大変なことだ。
僕らの母は教師で色々な学校で教えていたので、僕らもそのたびに引っ越していた。上の兄(クリス)は中学のときに、それまで住んでいたロサンゼルスから引っ越し、シアトルまで2時間ぐらいの島に住んだことがあった。それから母はドイツで教えていたこともあって、僕らが生まれる前に兄はドイツに住んでいたことがあるんだよ」
『スラムダンク』や八村の話を参考に
物語の舞台が沖縄に移った後は、日本の高校バスケットボールの世界も描かれるという。日本の高校バスケを描いた漫画といえば世界中に多くのファンがいる『スラムダンク』。ロビンも、兄のクリスから勧められて読み、夢中になったと明かす。
「『スラムダンク』は歴史上でももっとも影響力が強いバスケットボール・マンガだよね」
日本の高校バスケットボールについては、日本の友人から色々と情報を集めているという。また八村の高校時代の試合映像を見たり、八村自身からも話を聞いた。
「塁が話してくれたことのいくつかは、とても参考になった。今後、ストーリーの中に塁から聞いた話が入ってくるのは間違いない」
いつの日か、日本でウインターカップなど高校の大会を見に行きたいとも言う。
「動画で見た感じではとてもクールだった。いつか現地に見に行きたいね」