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令和の部活事情「帰宅部が1番人気って本当?」「部活でサッカーやるのはカッコ悪い」イマドキ中学生の本音 

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沼澤典史

沼澤典史Norifumi Numazawa

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posted2021/05/31 17:05

令和の部活事情「帰宅部が1番人気って本当?」「部活でサッカーやるのはカッコ悪い」イマドキ中学生の本音<Number Web> photograph by Getty Images

※写真はイメージ。今回の取材で「うちのサッカー部はもう11人集まりません」という先生もいた

 実は、前出のスポーツ庁調査によれば、広義の帰宅部男子のうち半分(※帰宅部女子の場合は2割ほど)は、学校のスポーツ部活を避け、地域のスポーツクラブに所属しているのだ。

 その調査結果を裏付けるように、各種スポーツクラブチームの数も増加している。日本クラブユースサッカー連盟によると、Jリーグが開幕した1993年には連盟加盟クラブはU-15で247クラブ、U-18が64クラブだったが、2019年にはU-15で1469クラブ、U-18が124クラブと激増している。

 また、小中学生を対象とした硬式野球大会を全国規模で主催している日本少年野球連盟(ボーイズリーグ)によれば、連盟スタート時の1970年には28のクラブチーム数だったが、現在では約725チームまで増えたという。

「野球に関して言うと、高校でも野球を続けたいと考えている生徒には、中学の部活の軟式野球ではなく、クラブチームで早いうちから硬式ボールに触っておきたいというニーズがあります。それに中学校の野球部の顧問よりもクラブチームの監督やコーチのほうが強豪校とのパイプもありますし、専門性の高い指導が受けられますからね」(山形県、中学教師)

顧問の約50%が“競技未経験”

 使用するボールの問題はともかく、指導者の資質の点では、中学の部活は分が悪い。顧問が競技未経験であることは、この世界では珍しくなく、日本体育協会の調査によると運動部顧問の半数近くが門外漢だという。専門知識や技量がない指導者が、部員の実力を適切に評価して育成できるのだろうか。スポーツ部活から、デキる生徒たちが離れている背景には、教員の指導力への不安があるのだ。

「ウチの学校でもその点は認識しています。顧問だけでは競技指導が不安だし、校務で部活を見られない時間もあるので、その対策として外部からコーチをお願いしているんですよ。ただ、成果を出しているコーチは、暴走して厳しすぎる練習や指導を行ったりしますし、顧問との間で部員の起用法が違ったりするので、軋轢は生じてますね。顧問の教師からすると、たとえヘタな子であっても試合には出してやりたいし、逆にいくら上手い子でも学校生活に問題があれば試合には出したくない。ただ、コーチからすれば上手い子を出して試合に勝ちたい。部活動では教育的な指導とチームの勝利にどう折り合いをつけるのかが難しいところでもあります」(前出、山形県中学教師)

【次ページ】 “帰宅部がない”中学校では……

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