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藤井聡太二冠と伊藤匠四段18歳コンビの強さに驚き、名人戦を堪能… “観る将”になったマンガ家が描く「4月の将棋ハイライト」
text by
千田純生JUNSEI CHIDA
photograph byJunsei Chida(illustration)
posted2021/05/02 17:01
マンガで描く4月の将棋ハイライト。全イラスト3枚は関連記事からご覧になれます!
(2)ABEMAトーナメントで見た“新世代”と“レジェンド”のカッコよさ
非公式戦ではありますが、僕たちのような初心者ファンにとって「第4回ABEMAトーナメント」は、数多くの棋士のパーソナリティーや棋風を知るうえではありがたい限りの中継です。
プロ野球のドラフト会議に着想を得たというドラフト指名は、見ているこちらも手に汗を握りました。「羽生(善治)先生、(中村)太地七段を指名した……!」といった感じでミーハー心が超くすぐられます。
あとは木村一基九段が、斎藤八段とのくじ引きに2連勝して佐々木勇気七段、池永天志四段の指名権を獲得してガッツポーズした姿、カッコよかった……。「今年の運を全て使い果たしました」というコメントは、“将棋の強いおじさん”で人気の木村九段らしいですが(笑)。くじ引きで言えば糸谷哲郎八段と藤井聡太二冠の指名がかぶるなど、棋士同士がどんな評価をしているのかが垣間見えたのがとても興味深かったです。
チームレジェンドも18歳コンビも船江六段もスゴい
チームで注目したいのはやはり「チームレジェンドの再結成」と「チーム藤井」でしょうか。将棋連盟会長でもある佐藤康光九段は、前回と同じく森内俊之九段と谷川浩司九段を指名。将棋を見始めて間もない自分たちでも、ちょっと勉強したらお三方の偉大さがスゴいだけに、見てるこちらが衿を正さなければという思いです。
一方で若さあふれるのがチーム藤井。藤井聡太二冠(18)、高見泰地七段(27)、伊藤匠四段(18)というスター性あふれる3人ですが、20代の高見七段が“18歳の2人を引っ張らなきゃ”的な使命に駆られているように映ります(笑)。
実際の対局では伊藤四段、チーム稲葉の船江恒平六段の姿が印象的でした。伊藤四段については様々な媒体で「藤井二冠を最後に泣かせた相手」、「現時点の最年少棋士」という触れ込みがされているのは見たことがありましたが……超早指し戦で久保利明九段、船江六段に勝利しました。敵味方関係なく「強くて笑っちゃう」と言っていました。新たな将棋界のスター候補なのかも……と、妻と一緒に話しています。