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審判も驚く「和田毅のボールが蘇っている」…盟友・杉内俊哉とオフに話していた復活の要因とは?【40代での複数勝利は球団初】
posted2021/04/22 17:02
text by
田中大貴Daiki Tanaka
photograph by
KYODO
4月14日、福岡ソフトバンクホークス・和田毅が、球団の投手としては20年ぶりに40代での白星をマークした。3年前には、左肩が上がらないほどの怪我に悩まされてきたベテラン左腕が、オリックス・バファローズが誇る若きエース・山本由伸に投げ勝つ渾身のピッチングを見せたのだ。
21日の楽天戦でも左手親指の爪が割れるアクシデントがあったものの、先発投手の役割をしっかりとこなし、今季2勝目。40代の複数勝利は球団初の快挙となった。
シーズン開幕前、和田と同じ松坂世代の盟友・杉内俊哉との取材に立ち会うことがあった。そこでの会話に、今季の活躍に繋がるヒントが隠されていた。
「この年齢になって、アウターマッスルをしっかりと鍛えるようになって肩と肘の痛みが消えて、強くなった気がする」(和田)
「そうか、やはりアウターか。鍛え方次第だけれど俺もそう思う。時代は変わりつつある。インナーマッスル系だけでは限界があるんだよ、きっと」(杉内)
ピッチャー同士のウエイトトレーニング論。あれだけ肩・肘の激痛と闘っていたのになぜ、また投げられるようになったのか? 不思議がる筆者に対し、2人はとても興味深いことを教えてくれた。
復活のヒントは、千賀らのトレーニング
「3年前までは肩が痛くて……もう現役を続けることは難しいかもしれないと思うような痛みが何度もあった。血小板注射や痛み止め、炎症を抑える注射を数えきれないほど打ってもらった。医師の先生が『和田君のお陰で注射の技術が上がった』と言われるほど。それでも回復に向かわない日々が続いた。先が見えなかったですね」(和田)
2018年は一度もマウンドに上がることがなかった和田は、病院へ通う日々を送っていたという。彼が言う「腕がちぎれる」「肩の骨と骨が当たり激痛が走る」という言葉を聞いたとき、厳しい状態なのは容易に想像ができた。
しかし、19年に651日ぶりの勝利を挙げると、38歳にして一軍のローテーションの一角として舞い戻った。そして昨季は16試合に先発して8勝。39歳にして“復活”を果たしていた。
「スギ(杉内)もやっぱりアウターをかなり鍛えたでしょ、社会人時代に。千賀(滉大)たちのウエイトトレーニングを見て、ヒントがあったんだよね。自分も重いウエイトで筋力トレーニングを行ってみようと。チャレンジだった。もちろんインナーマッスルや身体のしなりとのバランスを大事にしながらね」
それを聞いた杉内はこう答えた。