結果として回転不足になりやすいが……

　スリーターン（右足だけでクルクルと回転）をしてから跳びあがると、回転軸を先に作ってから跳ぶため、エッジが上滑りして回転が抜けることがない。ただしこの跳び方では、右足でターンをしながら跳ぶため力が入れにくく、高さを出しにくい。結果として回転不足になりやすいのが、この跳び方の難しさといえる。

　すると、ここで今季「セカンドの3回転ループ」に取り組んできた成果が現れた。力に頼らずに右足のバネで跳ぶ感覚が生かされ、スリーターンからの4回転ループも回転不足なく軽やかに跳べたのだ。

「正月明けから入り方を変えたら恐怖心がなくなったので、ずっと練習を続けられています。今のところ綺麗におりたのは2回。今は結構、感覚的に跳べています。（理論ではなく）跳びながら、何回も腕をきつく締める練習を繰り返していくことで『こんな感じだな』と掴めてきています」

転ぶ回数は少なくなってきている

　その新・4回転ループが披露されたのは、1月27日、冬季国体の公式練習のときだった。スリーターンから軽やかに跳びあがると、回転は足りた状態で降り、ステップアウトとなった。

「もともとは、明日のフリーの練習として4回転サルコウと4回転トウループはやっておくように父から言われていたのですが、その練習をしても時間が余ったので、1発だけやりました。最近はステップアウトすることはあっても、転ぶ回数は少なくなってきているので自信になっています」

　正月明けからわずか3週間ほどで習得に近づいている鍵山。しかもそれだけではない。4回転ルッツにまで手応えも感じているという。

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