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菅野智之は来オフにメジャー移籍できるか? FA市場に大物が揃うなか、巨人で“クリアすべき数字”とは
posted2021/01/24 11:03
text by
四竈衛Mamoru Shikama
photograph by
KYODO
巨人からポスティング制度を利用してメジャー移籍を目指した菅野智之の今季残留が決まった。年始に渡米し、現地で複数球団との交渉を続けてきたが、期限の1月8日までに着地点は見出せなかった。帰国後、会見に応じた菅野は、率直に思いを明かした。
「いろんな話をする中で、100%納得できるものではなかった」
コロナ禍の影響で財政難の球団が多いこともあり、6球団から届いたオフォーは、菅野の首を縦に振らせるものではなかった。しかも、米国内は依然として爆発的な感染拡大が続き、キャンプ、公式戦の実施も不透明な状況。学生時代からの夢を目前にしながらも、「挑戦するタイミングは今ではない」と、冷静かつ客観的な判断を下した。
では、来オフは、菅野にとって、いいタイミングになりうるのだろうか。
現時点で、今後のメジャーの経済状況を先読みすることは。困難と言わざるを得ない。
ただ、米国内でワクチン供給が始まり、徐々にコロナ対策が進み始めていることで、早い時期に有観客での公式戦が実施されるようになれば、球界全体の景気が好転する可能性はある。
カーショー、バーランダーら超大物がFAに
昨季のように60試合に短縮されることなく、ひとつのメドとして120試合以上実施できれば、ある程度の収益は確保できることになり、最悪の事態は避けられる見込みも立つ。
となると、少なくとも今オフよりも、市場が活況となる可能性は高い。というのも、来オフのFA(フリーエージェント)市場は、サイ・ヤング賞ホルダーをはじめ、近年稀に見る大物揃いで、各球団が積極的に大型の投資に踏み切る流れはできやすい。
昨季世界一に輝いたドジャースの大エースで生え抜きのクレイトン・カーショー(34、各選手の年齢はいずれも2022年4月時点)、トミー・ジョン手術明けのジャスティン・バーランダー(39=アストロズ)、はともに残留濃厚とみられる一方で、ザック・グリンキー(38=アストロズ)、マックス・シャーザー(37=ナショナルズ)、ジョニー・クエト(36=ジャイアンツ)らが移籍すれば、各球団の勢力図が大きく変わることになり、市場全体の動きは一気にスピードアップする。