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桐蔭学園の成長力が凄かった…大西将太郎が選ぶ花園ベスト15 日本を担えるロック、“松島級”スーパー1年生も
posted2021/01/11 11:30
text by
NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph by
Kyodo News
まずは、細部まで気を配りながら大会を運営してくださった関係者の方々へ感謝を伝えたいです。他競技では大会中に棄権する学校が出るなか、無事に全62試合を消化できたことは、多くの尽力があったからこそ。また、試合がなくなるかもしれないという葛藤の中で期待に応えるプレーを見せてくれた選手たちの健闘も称えたい。いろいろな意味で記憶に残る「100回大会」になったと思います。
1回戦から解説をさせていただきましたが、放送席でも難しさを感じました。記者さんの取材は限られたエリアのみ、我々TVクルーは選手と接点すらなく、遠くから見るだけ。例年ならば選手の言葉や思いを聞き、それを次の試合で話すことができたのですが、それができなかった。さらに春、夏と公式戦がなかったことで各校のデータ収集にも限りがありました。
意識したのは、できるだけ多くの選手たちの名前を呼ぶこと。そしてそれぞれの学校が持つ伝統や新鋭校が目指すスタイルを言葉にすること。会場の熱をうまく伝えようと心がけました。
また、本来は許可が必要だったのかもしれませんが、選手たちのウォーミングアップの様子を少しだけTwitterにアップしました。選手たちがどんな思いで臨んでいるか。そういうことをしっかりと届けたいなと思ったんです。彼らにとって花園がいかにスペシャルな場所かということが、その姿に表れていました。
高校生たちの“無邪気さ”
近年、中高生のレベルが上がっています。アタックの工夫、ディフェンスの質、戦術の多彩さと徹底ぶり……花園でも至るところで感じられました。それはやはり日本代表から受けた影響が大きい。改めてW杯を日本で開催した意義を感じました。
ただ、戦術が進化する中でも、30分ハーフという短い時間で高校生たちがどう自分たちのラグビーを表現するか、どう楽しむかという“無邪気さ”も感じられたのことも嬉しかった。マイボールになったら必ず展開して前へ進む。高校ラグビーならではの雰囲気も花園の魅力だと思います。