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「イタリアがバルサのようになった!」と現地メディア 攻撃重視の流れで“ロッシ2世”は生まれるのか 

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神尾光臣

神尾光臣Mitsuomi Kamio

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posted2021/01/07 17:00

「イタリアがバルサのようになった!」と現地メディア 攻撃重視の流れで“ロッシ2世”は生まれるのか<Number Web> photograph by Getty Images

守備の文化が色強いとされるイタリアだが、アグレッシブなスタイルはカルチョの国にも根付いている

 ロッシ氏の葬儀の数日後、一般紙『イル・ティレニア』のインタビューに答えたのは、現在のイタリア代表チームを率いるロベルト・マンチーニ監督だ。

 ロッシのみならず、あの代表こそがイタリア史上最も人気のチームといっても、決して過言ではないだろう。そんな当時の姿を知る人々だからこそ、2006年のドイツW杯後の代表チームに失望を覚える者が多いのである。

無敗記録は22試合に伸びている

 しかし、マンチーニ監督は現在のチーム状態について、こう言い切っていた。

「かつての代表チームのスピリットを選手たちが取り入れてくれればと思う。ただ、私自身はおおむね満足している。今のチームには熱意と友情、そして尊敬と協調の存在がある。今の選手たちはテクニックやキャラクターにおいて素晴らしいベースがある。私はそんな彼らと仕事をしているのだ」

 2020年のアズーリの歩みを振り返れば、確かにそれは結果にもプレーにも現れていた。新型コロナウイルス感染症対策のために、EURO2020の延期をはじめとして代表の強化プログラムは変更を余儀なくされた。

 その中で行われた親善試合2試合、UEFAネーションズリーグ6試合の合計8試合は無敗。ネーションズリーグではポーランドというロシアW杯出場国に加えて、強豪のオランダ、ボスニア・ヘルツェゴビナと同組になったにもかかわらずグループ1位通過をもぎ取り、ファイナル4へと進出。2019年から継続していた無敗記録は22試合に伸び、カタールW杯欧州予選抽選会ではポット1に入ることができた。

敵陣でボールを奪い、素早くパス交換を

 また、それ以上に重要なのはチームにスタイルを定着させたことだ。ジョルジーニョにマルコ・ベラッティ、そしてロレンツォ・インシーニェなどテクニックのある選手を軸に、若手を積極的に招集したうえでポゼッション重視の攻撃サッカーを展開している。

 敵陣でボールを奪ったのち、素早くショートパスを交換して相手の守備陣を振り回しつつ崩して行くやり方だ。

 そんなスタイルが象徴的に見られたのが、11月15日のポーランド戦だ。

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