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2度の育成契約を経験した由規が語った意義「選手目線から見ると、ありがたいシステム」
posted2020/12/23 11:04
text by
田中大貴Daiki Tanaka
photograph by
Nanae Suzuki
◆聞き手/田中大貴
――由規選手はこれまで「育成契約」を2度、経験しました(2016年、18年)。外から見る感じと中にいる選手の受け取り方は違うのかなと思います。その辺りはいかがでしょう?
育成契約は戦力外通告、いわゆるクビに近い感覚ではあるのですが、ケガをしている自分にとっては球団から「最後のチャンス」をいただいているという前向きなものとして捉えていました。
――育成契約の選手たちの雰囲気はどんな感じなんですか。
まずは支配下登録の期限(7月31日)があるので、それが近づくと緊張感はありますね。
――数少ない中で枠を争うわけですもんね。
ただ僕個人としては、育成契約とはいえ、二軍の試合に出られますし、結果的に一軍で投げることを目標としているのであれば、支配下登録だろうが育成契約だろうが気持ちは一緒。ただ背番号が3桁なだけと言いますか。だから、そんなに(支配下選手と)変わらない気持ちで過ごしていたと思います。
熾烈な争い、少ない出番までに調整できるか
――支配下登録を勝ち取るために一番重要なことは何ですか?
それは少ないチャンスで結果を出すこと。そこに尽きると思います。
――育成出身で活躍する選手は多いですが、それもほんのひと握りです。
もちろん、支配下登録の選手と比べると当然、出場機会は限られます。それに育成契約選手は二軍の試合に5人までの出場しか認められていません。スタメンで育成契約の野手が3人出ていたとしたら、投手はあと2人しか出られないわけです。
それぞれが出番に合わせてしっかり調整できるか。野手と投手によっても違いますし、同じ投手でも先発か中継ぎかによって考え方は違う。ヤクルト時代、僕は先発一本でやっていたので、登板日を決めてもらえました。だからその試合に重きを置いて調整することができた。それは首脳陣にアピールする上でもとても大きなことだったと思います。