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サイ・ヤング賞逃すもダルビッシュの歴史的快投 MLB史上1位の記録、涌井秀章との“最多勝の縁”とは
posted2020/11/12 11:04
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph by
AP/AFLO
読者各位は、夏ごろの時点でダルビッシュ有が歴史的な快投を続けていることをご存じだったろうか?
現地8月29日のレッズ戦は、6回を投げて7安打されたものの8奪三振2与四球、自責点0。ナショナル・リーグのハーラートップの6勝目(1敗)を上げた。
ちなみにこの試合はダブルヘッダーの1試合目。今季はダブルヘッダーは7イニング制となっている。ダルビッシュは最後の1イニングをクローザーのジェフレスに任せて降板した。
この日の時点で、防御率はブレーブスのマックス・フリードの1.35に次ぐ2位、奪三振はレッズのソニー・グレイ、ナショナルズのマックス・シャーザーの55、レッズのトレバー・バウアーの54に次いで4位の52をマークしている。
質だけでなく量もトップクラス
また奪三振数を与四球数で割った「K/BB」ではカブスのチームメイトのカイル・ヘンドリクスの8.50、メッツ、ジェイコブ・デグロムの7.00に次いで3位の6.50である。そして投球回数もカイル・ヘンドリクスの44回、ロッキーズのセンザテーラの43.1回に続く43.0回で3位タイにつけている。
投球の「質」だけでなく「量」でもトップクラスなのだ。
こうなってくるとMLB投手の最高の栄誉とされる「サイ・ヤング賞」の可能性も現実味を帯びてくる。
500勝投手サイ・ヤングの名前を冠したこの賞は、両リーグで最高の投球をした投手(先発、救援含む)に与えられる「投手のMVP」といっても良い賞だ。
ただし日本の「沢村賞」とは異なり、勝利数や完投、完封などの数字は考慮されない。投球内容が重要になってくる。昨年、一昨年と11勝、10勝のメッツ所属ジェイコブ・デグロムが最多勝(両年ともに18勝)の投手を差し置いて受賞している。