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井上尚弥の背中で奮い立った平岡アンディ ラスベガス完勝で得た自信「世界は遠くない」 

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栗田シメイ

栗田シメイShimei Kurita

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posted2020/11/08 17:02

井上尚弥の背中で奮い立った平岡アンディ ラスベガス完勝で得た自信「世界は遠くない」<Number Web> photograph by Getty Images

ラスベガスのリングで大きな成長を示した平岡アンディ。危なげない完勝劇だった

ロマチェンコを破った23歳ロペス

 アンディがラスベガスでの連勝にも大きな喜びを表さなかったのは、高い頂きにいる強豪を標的として据えていることも理由の1つだ。渡米の1週間前に観た、ライト級3階級王者のワシル・ロマチェンコと、IBF王者テオフィモ・ロペスの一戦はアンディにとって印象的なものだった。大差の判定には疑惑も生じたが、世界最強との呼び声もあるロマチェンコを、23歳の新星ロペスが破ったことで、中量級戦線はより混戦模様となっていくことが想定される。

「ロペスは年も階級も1つ違い。将来的に戦いたい相手であることは間違いないです。当然意識して試合を観ていました。ただ、ロペスもロマチェンコにしても届かない相手とは全く思わなかった。むしろ世界は遠くないと、自信が深まり刺激も受けた。ラスベガスの試合まで、自分のボクシングは完成に近づいていると思っていましたが、まだまだ余白があることを再確認できた。自分がイメージする理想の完成形に近づいていけば、自ずと彼らと戦える立ち位置にいるはずだ、という確信のようなものも感じていますね」

 海外での試合も複数経験し、「今ならアメリカのどこでやっても緊張することもなく、平常心で戦えます」と話す強心臓は、気弱と揶揄された以前のアンディとは異なり、頼もしさすら感じさせる変貌ぶりだ。

 陣営によれば、次戦はWBOアジアパシフィック王者、東洋太平洋王者なども視野に入れたタイトル戦を想定しているという。聖地で確かな爪痕を残したアンディが、より大きな舞台のリング上で、心からの笑顔を見せる日もそう遠い未来ではない気がしている。

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