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清原和博「何十年後でもいい。王さんは、本当の事を言ってくれるだろうか」ドラフトがもめた“あの日”
posted2020/10/26 11:02
text by
NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph by
KYODO
雑誌「Sports Graphic Number」や「Number Web」に掲載された記事のなかから、トップアスリートや指導者たちの「名言」を写真とともに紹介します。今回はドラフトで起きた“衝撃の事件”にまつわる言葉です。
<名言 1>
「何十年後でもいい。王さんは、本当の事を言ってくれるだろうか」
(清原和博/183号 1987年11月5日発売)
◇解説◇
ドラフト会議史上において、日本列島に衝撃が走った事件の代表格と言えば1985年の「KKドラフト」だろう。
PL学園で輝かしい実績を積み上げた清原和博と桑田真澄。桑田が早稲田大学進学を表明したことで、清原が意中の巨人に行けるか否か。それが焦点だったドラフト1位指名で、まさかの展開が起こる。
巨人、桑田の単独指名。
そして清原は6球団競合の末、西武が交渉権を獲得した。
なぜ巨人は自分ではなく桑田を指名したのか――清原は会見で人目をはばからず涙した。このドラフトは清原にとって大きな傷となり、複雑な思いを抱え続けたのだ。
その象徴的な場面が1987年の日本シリーズ。西武が巨人相手に日本一目前に迫った瞬間、ファーストを守る清原は大粒の涙を流したのだ。その時の心情について「涙は隠したくありませんでした」と清原は語っていた。
ただその後、清原は2008年の引退試合で、ドラフトの際の巨人監督だった王貞治氏(当時、ソフトバンク監督)から花束を渡されて涙するなど、わだかまりは解消したと明かしている。