メジャーリーグPRESSBACK NUMBER
「『ラストサムライ』を観たか?」「オーのバットを持ち帰って……」MLB殿堂入り選手たちの“素顔”
text by
ナガオ勝司Katsushi Nagao
photograph byGetty Images
posted2020/10/18 17:00
22年に及ぶ長い現役生活で通算2517安打、通算10度のオールスター選出、通算5度のゴールドグラブ賞を獲得したジョー・モーガン
「日本の人たちはどこへ行っても親切で、じっと見ているだけだから、逆にこちらから『サインしようか?』と尋ねなければならないほど謙虚だった。ここ(アメリカ)じゃ、いつだってこっちの姿を見ただけで『サインくれーっ』、『ボールくれーっ』てなるからね(笑)」
シーバーさんはそこでさらに、こう言った。
「それに日本に行くだけで結構なお金も貰えたし、我々は日本への遠征自体はとても気に入っていた。ただし、あの遠征は1カ月ぐらい(著者注:24日間で17試合)かかったから、そのあまりの長さに選手全員、最後の方は随分と気が滅入ってたよ」
今年は前出の3人の他にも、ワールドシリーズ史上、唯一の完全試合を達成したドン・ラーセンさんや、同シリーズ最多奪三振記録(17)を持つブロックさんのチームメイト、ボブ・ギブソンさんら殿堂入りの名選手が亡くなられている。
メジャーリーグの長い歴史を考えれば、往年の名選手が亡くなるのは珍しいことではないが、ほんの少しでも言葉を交わしたことのある人々、とりわけ日本と何らかの縁のあることを語ってくれた殿堂入り選手が亡くなったというニュースを聞くと、その思い出を伝えずにはいられたくなるものだ。
心から、ご冥福をお祈りしたいと思う――。