野球のぼせもんBACK NUMBER
「ロッテに弱い」ソフトバンクの反撃 “アクシデント続き”東浜巨が急に勝ちまくっているワケ
posted2020/10/14 17:35
text by
田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph by
KYODO
天王山と呼ぶにはまだ早いが、工藤公康監督が「大一番」と評したマリーンズとの首位攻防3連戦が10月9日から11日、ホークスの本拠地PayPayドームで行われた。
その大事な初戦をホークスは落としてしまった。1対3のスコアだけを見れば惜敗に映るが、間違いなく完敗だった。前回、この対戦カードの「四球差」について論じたばかりだが、悪夢がまたしても繰り返された。まさか、いきなり初回から起きるとは想像していなかったが。
一回表の先頭から内野安打→四球→死球で塁が埋まる。先発のムーアが押し出し四球を与えてあっさりと先制点を献上した。なお無死満塁での次打者は三塁ゴロに打ち取るが、本塁送球を捕手の甲斐拓也が落球するボーンヘッドで追加点を奪われた。今季のホークス打線、さらに相手マウンドが苦手の二木康太だったことを考えれば、一番与えてはいけないのは先制点だった。それを最悪な形でプレゼントしてしまい、反撃ムードすらほとんど作れなかった。
1戦目を終えて両チームのゲーム差はなくなった。ホークスが勝率わずか1厘差で首位を守ったが、試合後の工藤監督の落胆ぶりは誰が見ても明らかだった。
天下分け目の戦いの“MVP”
ほぼ横一線に並んだことで、この「大一番」の首位攻防戦は第2戦が最も重要な意味を持つことになった。勝ったチームが1ゲーム差をつけて首位に立つ。ホークスとしては敗れれば8月22日から守ってきた首位から陥落することになる。
決して大袈裟ではなく、10月10日の2戦目こそが、天下分け目の戦いだった。
この一戦をホークスが制した。