「次はミスをしたくない、しちゃいけない」という気持ちが膨らむと、プレーが消極的になりがちです。しかし、久保はネガティブなイメージを引きずりません。

　81分のプレーが分かりやすいでしょう。相手ゴールに背を向けた体勢でパスを受け、スルリとターンしてマークを剥がします。明らかなファウルで身体をつかまれても、バランスを崩さずにボールを持ち出していく。ファウル覚悟のプレーに無理やり止められましたが、久保を倒した選手は警告を受けました。力強い推進力でした。

ラスト15分だけの出場でも存在感を見せた　©Getty Images

チームを離れることはスタメン定着を難しくするが……

　アラベス戦の翌日（本日14時）には日本代表のメンバーが発表され、25名のリスト（パルチザン・ベオグラード所属・浅野拓磨は出国の関係で招集を断念）のなかには久保の名前がありました。

　マジョルカでプレーした昨シーズンも、9月から11月にかけて日本代表に招集されました。一時的にでもチームを離れることは、スタメン定着を難しくしました。

本日14時に発表された日本代表メンバー25名。セルビア所属の浅野は出国の関係で招集断念（公式ツイッターより）

　ビジャレアルでポジションをつかむことだけを考えれば、チームで練習を積んでいったほうがいい。ただ、日本代表として国際試合に挑むことも、19歳の彼には貴重な経験となります。今回はオランダでの活動なので、長距離移動や時差の影響による肉体的な負担はない。コンディションを崩すことなく、チームに戻れるでしょう。

　ほぼ1年ぶりとなる日本代表のテストマッチで、久保はどんなプレーをするのか。日本代表の森保一監督だけでなく、エメリ監督へのアピールにもなるようなプレーを、見せてほしいものです。

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