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河辺愛菜、吉田陽菜ら新星も参戦! 3アクセルに続々と挑戦する激戦のフィギュア女子展望
text by
野口美惠Yoshie Noguchi
photograph byDreams on ICE 2020
posted2020/09/27 11:40
ドリーム・オン・アイスでトリプルアクセルを着氷した河辺愛菜。今季からシニアに参戦する
吉田「違う自分を見せられるように」
もう1人トリプルアクセルに挑戦したのは、昨季の全日本ジュニア3位の吉田だ。
今年春に木下アカデミーに移籍して、新たなスタートを切ったばかり。フリーの『ツィゴイネルワイゼン』の冒頭でトリプルアクセルを跳び、転倒したものの残るジャンプはしっかりと立て直して、底力を見せた。
「トリプルアクセルは、シーズンに向けて確率を上げていくようにしたいです。今季は新しい環境なので、違う自分を見せられるように頑張ります」と誓った。
まるで脚さばきの練習曲のよう
一方、昨季の全日本選手権6位だった坂本は、リベンジとなる今季への意欲が溢れる演技を見せた。
ショートはリモートでブノワ・リショーが振り付けたという『Bach a la Jazz』。静寂と喧噪の入り交じるピアノ曲を、軟らかい滑りと力強い演技で表現するプログラムだ。後半の激しいステップは、難しい流れが詰め込まれており、まるで脚さばきの練習曲のような内容をこなした。
「今年20歳になるので、今までより曲を感じながら、新たな自分を引き出させるプログラムです。難しいけれど頑張ります。今日は久しぶりの試合形式で、ゆっくりの曲調からテンポの良いジャズになったらキレよく動かないといけないのに、緊張して出来ませんでした。メリハリのあるプログラムにしたいと思います」
またフリー『マトリックス』は昨季からの継続で、まだ9月ながらほぼノーミスの内容だった。
「最初から最後まで全力疾走になるのでペース配分が難しいプログラムです。今日は試合形式で、でも無観客という、今までに無い経験が出来ました。今季は試合数が少ないので、しっかり自分の演技をしていきたいです」