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藤井聡太二冠に全勝、豊島将之竜王に感嘆の声「勝率8割4分の二冠王に5連勝するバケモノがいる」 

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photograph by日本将棋連盟

posted2020/09/13 08:15

藤井聡太二冠に全勝、豊島将之竜王に感嘆の声「勝率8割4分の二冠王に5連勝するバケモノがいる」<Number Web> photograph by 日本将棋連盟

激戦を見せた豊島将之竜王(左)と藤井聡太二冠(別日撮影)

 12日、第41回将棋日本シリーズ、JTプロ公式戦2回戦が行われ、豊島将之竜王(30)が藤井聡太二冠(18=王位、棋聖)に108手で勝利。準決勝進出を果たした。豊島竜王は藤井二冠との公式戦対局成績は5連勝となり、現役最強棋士の一角としてのプライドを見せた。

 将棋日本シリーズは前年度のJT杯覇者とタイトルホルダー、賞金獲得ランキング上位順の12人のみが出場する大会。持ち時間10分、1分単位の考慮時間が5回のみ、持ち時間を使い切った後は1手30秒未満というスリリングな超早指し戦だ。

「豊島竜王の横歩取りは珍しい」

 横歩取りとなった戦型について、Number1010号の将棋特集で藤井二冠の矢倉新時代について解説した勝又清和七段(51)もツイッター上で反応。“教授”のニックネームで知られる勝又七段は「豊島竜王の横歩取りは珍しい。1年半以上も指していませんでした」とつぶやいたが、その対局開始から5分あまりで30手ほどが進む超高速展開に。これには「ABEMA」で解説を務めた松尾歩八段(40)も驚きの声を挙げるほどだった。

 早い段階から飛車角交換となるなど目まぐるしい展開となり、終盤に入ると「ABEMA」のAIによる形成判断が一手ごとに大きく揺れ動いた。その中で攻め込んだ藤井二冠が勝機を得たかに見えたものの、最後は豊島竜王に軍配が上がった。

 トップ棋士との通算対戦でことごとく勝ち越している藤井二冠だが、豊島竜王にはまだ公式戦で勝利を挙げられていない。2019年10月の王将戦挑戦者決定リーグ2回戦以来となる公式戦でも、またしても“豊島の壁”にぶち当たった。この結果に勝又七段も対局後「通算勝率8割4分の二冠王に5連勝するバケモノがいるらしい」と感嘆のツイートをしたほどだ。

 その豊島竜王はJT杯準決勝で、渡辺明JT杯覇者vs.高見泰地七段の勝者と対戦する。また豊島竜王は21日には永瀬拓矢叡王(28、王座と二冠)との第5期叡王戦第9局が待ち受け、そして第33期竜王戦七番勝負、羽生善治九段(49)-丸山忠久九段(50)の勝者(19日に挑戦者決定戦第3局)との防衛戦が始まる。トップ棋士であるがゆえの超ハードスケジュールだが、藤井二冠との対局を制したことでさらに勢いに乗りそうだ。

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